心電図③ 最も多い不整脈:期外収縮
避けては通れない、不整脈。
その中でも最多は、恐らく期外収縮ではないでしょうか?
☑期外収縮ってどんな不整脈?
期外収縮を一言で言うと
横入りしてくる不整脈
ですね。
特に症状もないことが多く、一次健診でしょっちゅう指摘されて二次健診に送られてきます。もしかしたら、自分にも出ているかも。特別な理由なく出現する特発性のもの、陳旧性心筋梗塞や拡張型心筋症等の基礎疾患が原因のものと、色々な種類があります。
そして、心房から出る上室性・心室から出る心室性があります。
☑見分けるポイントは?
上記の通り、期外収縮は横入りしてきます。列に横入りする時(しないでくださいね)、
・自分より前の順番に
・並んでいる人の意思に反して
入りますよね。
不整脈も同じで、見分けるポイントは
・本来のR-R間隔より早いタイミングで
・時に、本来次に来るハズだった正常の脈を打ち消して
入ってきます。例えば、HR:60/minの時は1秒間に1回脈を打ちますね。期外収縮が入る時は、次の脈が打つ1秒以内に入り込んできます。そして、時に正常な脈が期外収縮によって1拍分落ちます。
脈の結滞(脈が抜ける感じ)を訴える方がいるのは、このためですね。
そして、心房・心室どちらからでも出現します。
心房・心室どちらの問題かの区別は、
P-Q波:心房
Q-T波:心室
でしたね。つまり、P波があれば上室性、P波が欠落してQRS波のみが出現していたら心室性です。
この画像は、P波が欠落して幅の広いQRSがR-R間隔より早く出現しているので、心室性ですね。
さらに細かいことをいうと、心室性不整脈は脚ブロックの波形とベクトルから発生源を推定することができます(右室流出路起源、等)。
☑危険な不整脈?
大抵は問題ありません。R on Tみたいな例外もありますが、よほどのことがない限りは放っておいて問題ありません。というより、β遮断薬等によりこの不整脈をコントロールする試験で、予後を改善しなかったんですね。
ただ効果がない=治療しても意味がない、ではないことに注意。
「ルーティーンで何も考えずに治療してもしょうがないですよ」ってこと。
心機能低下の原因になっていたり、動悸等の症状が強い時は積極的に治療しましょう。
☑実際にみたらどうすればいい?
患者さん本人から訴えが無かったり、バイタルの異常の原因になっていなければ、経過観察しましょう。
たまに「期外収縮がたくさん出ています。どうしますか?」って報告受けた時に、経過観察でいいですっていうと「えっ・・・いいんですか?」と言われることあるんですけど、このような理由があります。
実際の不整脈の波形はGoogle等で検査すれば出てくるので、そちらも併せてみてください。
次回は心房細動あたりについて書こうかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?