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ツバメ返し


#エッセイ部門

「慈悲とは深刻になることではない。
天より降り注いで大地を潤す恵みの雨のようなものなのだ。その祝福は二重にある。
慈悲は与えるものと受けとるものとをともに祝福するのだ。/ウィリアムシェイクスピア『ベニスの商人 第4幕第1場』」


2023/5/7(sun)Facebookより。🐱

個人主義の蟹のバケツ理論

   私は同年代の女友達の中でいつも高給取りだと言われた。(少ないぐらいよ!)
たしかに21ぐらいから今とは時代が違うけれど「一般企業のイチ従業員」にしては稼ぎもその辺の男よりもよかったし、しかもそれだけでは物足りなくて22ぐらいからは正社員で表の顔を持ちながら副業が普通の感覚になっていく。
まだ世間は本業に差し支えるから副業が認められない保守的な時代。

「そんなに稼いでなにに遣うの?」

よくきかれたけれどここにも男の影はまったくない。
贅沢なブランド物を次から次へと買い物をして贅沢な食事をしに行き、そして習い事をしに行く。
旅行については時々お一人様で温泉や高級ホテルを泊まり歩いたり1人では遠くには行かない。
「それってなにが楽しいの?でもなんかいいなと思う。(同僚)」
恋愛や結婚願望がまったくなかった気がする。だけど打算的な恋愛や結婚にたいして(ラクな、という意味)抵抗もない気も少しはあった。心が許すならね!サイテー。

まず横浜そごうの紀伊国屋で電話でファッション雑誌に特集されていたカリスマアーティストやらサロンマダムの先生の書籍を代引き(代金引換)で注文して取り寄せた。その時の憧れの先生方に実際に会いに行って習った経験が現在の私の人間関係を作っている。
それ以外はハッキリ言ってどうでもいい。

友達なんてべつにいらない。
目的(?)のない彼氏もいらない。

これも習いに行ったひとつで英国式カラーセラピーの先生に
「この人を長く苦しめているのはエゴです!」
と言われてムカつくと
「この人を長く守ってきたのもエゴです、」と言い直す先生。

私にとって男性といることや女友達とすごすこと、飲み会やグチをいうためのお茶会や食事にお金を遣うことはなかった。

30代のほとんどを毎週たくさんの本や映画のDVDをみてすごす。
その時の物が今もようするに私のボキャブラリーになっていて口がへらない。
その時代に読んだマネジメントのビジネス本でアメリカの遣り手弁護士の一説が好き。

漁師が浜辺で蟹をとって数匹バケツに入れるとフタをしなくても蟹は逃げないらしく
これを互いの足の引っ張りあいをする人間関係に例えていた。1匹の蟹がバケツから出ようとすると他の蟹がバケツのフチまで這い上がった蟹を引きずり下ろすのでバケツにフタをしなくてもホントに蟹は1匹もバケツから外へ出られない。

このメッセージは
「オマエだけラクをさせるか!いい思いをさせるか!」らしい。

この米国式「蟹のバケツ理論」は
40~50を過ぎた私のまわりでよく見る現象になってそういえば過去からのナゾも解けた気がする。

ペテンや詐欺はいつの時代にもいるけれど
もし機転をきかせるとしたならだ、それは
上前を跳ねることができるか?どうかではないかと思う。

私に体を張る気なんてさらさらない。

前出の流行っていた銀座ホステスの成功本からそういう意味で学べる物はほとんどなかった気がするけれどますい志保さんのはおもしろい。
「ホストに貢ぐのは100万までと決める」とか「彼氏がサーフィンが好きなら自分は嫌いでも浜辺で本を読みながらおなじ時間をすごす」とか。

双子の妹のさくらさんのはもう少し人情味が深くて
のらりくらり戦法について書いていた。
土地を売るのをのらりくらりどうしたらいいか?ずっと悩み続けるそのお客様は結局リーマンショックの時にまったく損をしなくてほとんどの客が銀座を離れたのにそのお客様は今でも銀座に遊びにきているのはその商談の相手がしびれを切らすぐらいのらりくらりしていることも成功法則だと書いていたのがよかった。

これは使えそう!

だけど私はさくらさんの書いた物の中で非常に考え込んでしまったケースがある。
彼氏が高級なディナーに誘ってくれてよくある食べきれないフルコースですべてがもったいないぐらいの一品でデザートのケーキまでとても入らないという事態。

お店の人が「お持ち帰りに箱にいれますか?」の声をかけてくれてそうしてもらえて相手の好意をムダにしないというものだった。だからお店の人がそこまで気をきかせてくれなくても残しそうなら自分から「お持ち帰りにしたいです。」ってお願いするのがいい、という文章を読んだ時、
私はそれはその相手の男性に恥をかかせないだろうか?とふと、深く思うのだった。

Tuesday“火曜日生まれの女“

/写真はクリストフルのカトラリー。そして手書きのサインは殺人事件に巻き込まれた某ファンドマネージャー資産家夫人の特徴的な頭文字“S“のサイン。私はよくこのサインをクレカの伝票に頂いたのが思い出。

ツバメ返し/スリがスッた財布をまたもとに懐に戻すテクニックのひとつ。











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