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むかし

今日は祖母の家に遊びに行った。

小さい団地の一番端の一番上の部屋だ。
私は物心ついた時から思春期の終わりまで、この祖母の家で過ごした。
だから今でも私の思い出が部屋にたくさん置いてある。

まずは冷蔵庫。
ポケモンパンに入っていたポケモンシールがたくさん貼り付けられている。
お気に入りのポケモンシールを、遊びに来た従兄弟にマッキーで黒く塗り潰されて泣き喚いた思い出がある。(当時は意地悪なブームが来ていたただけで本当はいい子)
私はよく意地悪されて泣いていたので、従兄弟にはエンエンと呼ばれていた。
思い出の冷蔵庫がそのまま残っている。

本棚には私がよく読んでいた絵本や、小学生の頃に作ったピカピカの泥団子が小さい座布団の上に座っている。
よく取っておいてくれてるなぁと思う。

いつも祖母の家に来ると、私の赤ちゃんの頃のアルバムを見る。
が、今日は祖母のアルバムを見ながら昔話を聞かせてもらえた。

祖母の家は昔にしては裕福な方だったようだ。
家は銀行をしていたらしい。自宅で銀行の仕組みが説明されたけどイマイチぴんとこなかった。
今でも残っている地方の銀行の始まりだったようだ。
だからその時代にしては珍しく洋服や人形が写真に残っていた。
そんなに大きな家だったことなんて私は知らなかったし、今となっては裕福な親戚なんてほとんどいないから想像すら出来ない。
昔の話をする祖母は少し子供っぽい感じがした。

しばらくアルバムを見て話を聞いたあと、祖母は今の時代について文句を言い始めた。
年金や保険、少子高齢化や賃金のことだ。
そこで私は気になって一つ質問してみた。

「今思えばでも、当時思ってたでもいいんだけど。この時代は良かったなって思う時代はあった?」
『うーん、昔は子ども1人にかかるお金が少なかった(高学歴が少ない)から、子どもが多かったのは良かったけど、、、。学校の先生達は最悪だったわよ。学校に限らず、どんな場面でも暴力が今より多かった。そう思うとなんだかんだで、ちゃんと良くなっていっているのかもしれないわ。』

なるほど。聞きたかった話とは少し違う答えだったけど、そこから話がまた広がっていった。
もう少し昔に生まれていたら、今のようにハラスメントの概念も無かっただろうし、大学に行くとかそうゆう選択も可能性が少なかったかも。
鬱やジェンダーの話題も無かっただろうし、、。
でも、これこそ知らぬが仏なのか?とも思ったりした。

知ってしまったから自覚するし、選択が多いから迷う。ある意味では楽だったかもしれないけど、辛かった人がいただろうな。
自分で選べる時代に生まれて良かったのかも。

大きな話になってきてしまったけど、
最後は近所の蕎麦屋の出前でラーメンを頼んで食べた。
ここの出前は蕎麦もラーメンもそこそこまずい。
蕎麦よりラーメンの方がマシという声が多いので、いつもラーメンを頼む。(親戚一同の声)
でも、昔ながらのナルトがのっているし、麺がのびのびなのもなんとなく嬉しい気持ちになるので、脳みそはギリギリ美味しいと判断した。
祖母はもう頼まないと毎回言うけれど、次に遊びにいった時もきっとまた頼む。
私がまた食べたいと思っているので。

最後まで読んでくれてありがとございました。

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