東大の入試問題の数学を解いてみよう(続き)
背景
(1)は解いた。(2)も解いてみよう。
2023年度の東大理系の数学問題
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400239118.pdf
これの第6問、
2以上の整数で、1とそれ自身以外に正の約数を持たない数を素数という。
以下の問いに答えよ。
$$
(1) f(x)=x^3+10x^2+20xとする。\\
f(n)が素数となるような整数nをすべて求めよ。\\
(2)a,bを整数の定数とし、\\
g(x)=x^3+ax^2+bxとする。\\
g(n)が素数となるような
整数nの個数は3個以下であることを示せ。
$$
ええと、x→nと置き換えましょう。
$$
g(n)=n^3+an^2+bn=n(n^2+an+b)
$$
ですね。A x Bの形になります。
素数というのは、前に書いた通り、A x Bが
1 x 素数
素数 x 1
-1 x -素数
-素数 x -1
でしかあり得ません。
4個の素数が出てくるのは、
1と3と2が同時に成り立ち、2のBの素数が2つ
1と3と4が同時に成り立ち、4のBの素数が2つ
2と4が同時に成り立ち、2と4の各Bの素数が2つ
1と2と3と4が同時に成り立ち、2と4の各Bの素数が1つ
この4通りが成り立たないことを示せば良いわけです(工学的考え)
(素数5個以上は4通り目、かつBの素数が2+1か2+2、まあそれは置いときましょう。)
では(1)〜(4)順番に計算していこう
(1)
g(1)とg(-1)の部分が素数になる必要があります。
$$
g(1)=1+a+b \\
g(-1)=1-a+b
$$
2が成り立つから、B=1
解の公式より、p,qを2つの素数とすると
$$
p+q=a \\
pq=b-1 \\
より \\
g(-1)=1-p-q-pq-1=-(p+1)(q+1)-1 \\
p,qとも素数だから2以上だからマイナスになる。よって \\
g(-1)は素数にならない。
$$
(2)
g(1)とg(-1)の部分が素数になる必要があります。
$$
g(1)=1+a+b \\
g(-1)=1-a+b
$$
4が成り立つから、B=-1
解の公式より
$$
p+q=a \\
pq=b+1 \\
より \\
g(-1)=1-p-q-pq+1\\=
-(p+1)(q+1)+1 \\
p,qとも素数だから2以上だからマイナスになる。よって \\
g(-1)は素数にならない。
$$
(3)
2の素数をp、4の素数をqとする。
$$
p^2+ap+b=1 \\
q^2-aq+b=-1
$$
bを消去するのですね
$$
p^2-q^2+ap+aq=2 \\
a(p+q)=2-p^2+q^2 \\
a=\dfrac{2-p^2+q^2}{p+q}\\
=\dfrac{2}{p+q}-(p-1) \\
\\
p,qは2以上だから\dfrac{2}{p+q}の部分が小数になる。\\
よってaは整数にならない。
$$
(4)
(3)が成立しないなら(4)も成立しないでしょう
所感
4通り計算すれば良いまではわかったのですが、因数分解の解法は(XX年ぶりなので忘れたので)解答速報を一度見た後で解きました。
東大の数学は素直ですが思考能力が必要とか昔聞きましたよね
そうなのでしょう。
奥さん「(1)の因数分解が間違えてるよ?」
私「え?そうかな?」
→間違えてました・・・