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球団News!2022年最終号~今シーズンを振り返って

2022年12月23日。
明日は雪のクリスマスイブかなと思うようなしんしんと寒い夜、ホテル・レクストン鹿児島にて鹿児島ドリームウェーブの令和4年度チーム納会が行われた。

納会の意味

昨年初めて参加させていただいたチーム納会。
いわば打ち上げのようなものだろうと思っていた当時の私は無知すぎた。
※昨年の納会に関しては以下の記事に詳しく書いてあります。

納会というのは打ち上げとは違う。

日ごろ直接会話を交わすことのない支援企業の方々の存在を、選手たちが肌で感じる日。今シーズンの活動をしっかり報告する日だ。
去年も書いたが、クラブチームの運営というのは個人法人問わず多くのサポートを必要としている。そのサポートへの感謝を表す意味での『納会』なんである。

戦績

今シーズンの戦績は、10試合4勝6敗、勝率.400。
昨シーズンが、9試合5勝4敗で勝率.556。数字だけを見ると下がったようにも感じるが、それは違う。

昨シーズンは、都市対抗野球大会、九州クラブ野球選手権大会は一次予選で敗退し、二次予選や本選に進むことはなかった。全日本クラブ野球選手権は二次予選に進出、惜しくもあと一勝というところで本戦出場を逃した。
今シーズンは、九州クラブ野球選手権では第一代表として本選に出場している。
勝率は昨年のほうが高いし、全日本クラブで惜しいところまで行っているのだけれども…不思議と、手応えは今シーズンのほうがあったように感じる。

厳しい言葉

とはいえ負け越しであり、納会では支援企業の皆様から厳しいお言葉を頂戴した。

特に、多くの選手が所属する(株)ゼンケイの上笹貫祥寛社長の言葉には大きく頷いた。
「野球に限らずスポーツを見るのが好きですが、それは感動したいから。
 技術的に決して上手とは言えない高校野球を見て胸を打たれるのは、そのプレーが一生懸命だからだ。
 今シーズンのドリームウェーブからは、そんな気概が伝わってこなかったように思います」

(株)ゼンケイ 上笹貫祥寛社長

これは私も、場内アナウンス(ウグイス嬢)として放送席から見ていても端々で感じていた。
楽しく野球をしているけれども、なんというか個々で楽しんでいる感じで勝ちに行っていないように見えた。ひと握りの”野球に飢えた”選手が、ときおり空回りをしているようにも見えた。

新体制

ただ、今はがらりと雰囲気が変わっている。別のチームと言ってもいいくらいだ。

9月に新監督・新コーチを迎え新体制になったことが大きい。
非常に厳しく高いところを要求する指導陣。

前任の有川監督は、選手たちと年齢が近く”先輩”的な感覚だったかもしれない。
いずれ球団ヒストリーで書くことになるが、数年前の解散の危機を救ってくださったのは間違いなく有川監督と柳コーチ。このときには選手に愛され尊敬されているアニキ的監督がまとめ引っ張ってくださったおかげで、このチームは今も野球ができている。

ただ、戦力が整い、改めて勝ちに行こうとしたとき、アニキたちは優しすぎた。選手たちと近すぎて鬼になりきれなかったのかもしれない。

戸嶋新監督・冨重新コーチは鬼になれる方々だと思う。
なぜなら、そのために招かれているから。まだ角は全出ししていないようだけれども。

納会では、有川前監督と戸嶋新監督が、また柳前コーチと冨重新コーチが笑顔で挨拶を交わしている様子があった。
いい光景だな、と嬉しく眺めていた。
そもそも有川、柳両氏が納会に出席くださったことが本当にありがたく嬉しく。お二人のお久しぶりの笑顔は、この日の私のいちばんの喜びだった。

痛み

敢えて鬼監督鬼コーチを招き刷新を図ったこともあり、またタイミングもあり、今シーズンは退団する選手が多かった。國本球団代表は淡々と「大きな新陳代謝」と表現したが、心が揺れないはずはない。

國本球団代表

野球に飢えていた選手が「このチームでは勝てない」と移籍することも、楽しく野球をしたい選手が泥臭い練習に背を向けてしまうことも、そのほか様々な理由でチームを去る選手がいるのに、代表が痛みを感じないはずはない。私ですらとても切ないのだから。

ただ、がらりと変わった今の体制が合わない選手がいても当然だ。
きっと、退団を選んだ彼らも痛みを味わったはず。

ひとぞれぞれ、野球と関わる距離感は違う。
そんなことを強く感じるシーズンだった。

勝ちに飢えている選手たち

今シーズン最後の練習で

そんな中でチームに残る選択をした選手たちは、どこかひどく楽しそうだ。

監督コーチがまだ鬼の角を隠しているからかもしれない。
本気で角を出したらきっと楽しいなんて笑っていられないだろう。近々きっと、練習から声が消えるときがくる。そのくらい厳しい練習になるときがくる。
でも、そこまでやれば試合は、野球は、叫びたくなるほど嬉しく楽しい瞬間があるはずだ。

来季もこのチームで野球を続ける選択をした選手たちは、きっと勝ちに飢えている。きっと、もっともっと野球がうまくなりたい選手たちだ。

だから私は、厳しいお言葉を頂戴しつつも、彼らには期待しかない。




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