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その地域創生にグランドデザインはあるか

地域創生、地方創生、地域活性化、街づくり、町おこしなど全国各地でのイベントや移住などが盛んに行われています。一方で少子高齢化、超高齢社会、限界集落などという言葉も反乱しています。つまり、一部の都市を除いて日本全国各地で行われているのが地域創生だといえます。

これだけ、全国各地で行われていると特別なものではなくなってきます。
そうすると、全国どこに行っても「特産品祭り」「農産物マルシェ」「居住フェア」「自然と共生」ばかりです。

まず、キチンと事実は何かを押さえる必要があるのではないでしょうか。
事実は
・「日本の人口は減っている」
・「生まれる子どもの数が減り、医療の進歩で寿命が伸びている」
・「技術革新が進み、便利なモノや道具が出来ている」
まとめるとこんな感じでしょうか。他にもあるかもしれませんが割愛させてもらいます。

全体の人が減っているのに各地で人を集めようとしてもムリがあります。ましてや「若い人に来てほしい」なんて言っているだけでは難しいのでは無いでしょうか。

既に消されてしまいましたが、最近見たプログの中に面白いものがありました。要約すると
「雪の降る地域で古民家を改造してシェアハウス始めました。オシャレな意識高い人達で楽しく暮らそうと思っていたけど、もう無理なので閉鎖します。」大きな理由は2つ書いてありました。「田舎なので家賃も安めに設定しましたが、仕事が少なく家賃滞納する入居者がいて資金が底をついてきたこと。予想以上の積雪で屋根の雪下ろしを業者にお願いしたが、多忙で断られた、しかも業者に若いんだから自分たちでやれと言われた。」ということが書いてありました。一言でいうと現実を見ないで、古民家で生活するオシャレなオレ達、だけだったんだろうなと。本気で生活することを考えていたなら、雪下ろしの業者に断られた時点で、「自分達も手伝うのでノウハウを教えてください。」となぜいえないのか。家賃滞納している人にバイトとして働いてこいとなぜ言えないのか。とても疑問です。雪下ろしのノウハウを覚えれば人手が足りないので仕事として十分に収入を得る機会があったのではないでしょうか。俺たちオシャレな古民家生活だから雪下ろしはやらない、というコダワリをなぜ捨てきれなかったのでしょうか。

今の地域創生も同じような感じがします。「予算が付いたから協力隊の募集をしよう、でも3年経ったら後は自力で生活してね、自分も担当じゃなくなるし。」「とりあえず町の特産品集めておく店作るか」「観光客に来てもらえばいいんじゃない」「外国人の観光客はいいけど、住んでもらうのはちょっとねぇ」「ビッグサイトで役所が移住フェアやるからブース出しておくか」「デパートの物産展に出てみるのもいいかもね」こんな感じかします。

つまり、10年後、20年後に「どのような街にしたいか」「暮らしをどうしていくべきか」というグランドデザインが明確に描けていないのではないでしょうか。プロジェクトやプログラムを組成して実施した後に、何をベネフィットとして獲得していくのか、デザインしマネジメントをしていくことが重要であると理解している人はどの程度いるのでしょうか。ビジョンを明確にして、その後に何をなすべきか、それが理解されていないように感じます。だからといって、お前のビジョンは何だと言われても困りますが。ビジョンはそれぞれの街によって異なりますし一概には言えません。ただ、言えるのはいろいろな街の話を聴いていて、どこも目先のことだけに注力しているように思えてしまうのです。

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