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Photo by
kosuketsubota
見えた 景色
倒れた。意識不明になって搬送され、気が付いたらそこは救命救急病棟。
さて、ここから見えた景色はどこまでがホンモノか?
隣のベッドのおじいさんが叫んでる。
「水をくれー」
「先生がダメ、って」
「じゃあコーヒーをくれー」
「もっとダメでしょ」
左隣のおばあちゃんが、カセットテープレコーダーを聞き始めた。西城秀樹、山口百恵、柏原郁恵・・・懐かしいメロディーが流れてくる。
なんか心地よい。
その向こうのベッドの女性が看護師を呼び止めた。
「ねえねえ、さっき取ったガーゼ、ここに置き忘れているわよ」「あ、ごめん、ごめん、今片づけるね」
別のベッドの男性がスマホで電話している。
「保険のこと、わかるか?使えるか?調べといてくれよ」
看護師さんが食事を持ってきてくれた。「今日は唐揚げだよ」「食べられるかなぁ」「嫌い?」「夕べがトンカツだったんだよ」
どこまで現実?
どこからせん妄?
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