私を癒してくれるネコ

もともと私は犬派だった。

何考えてるかわからない感が好きになれなかったし、
小さい頃親戚の家の猫にひっかかれたのも原因だ。

そんな私が180度ひっくり返り猫ちゃん大好き人間に。

とにかくこの子が私を癒しに癒しまくってくれている。
というお話です。


ハートを射抜かれた出会い

猫派の元旦那が猫を飼いたいと言い出し、まずは保護猫の譲渡会を見に行った。
でも猫なんて欲しくない私はどの子を見ても正直ピンとこない。

でももう飼う気満々の元旦那はネットで色々調べ始めた。
あるペットショップで好みの長毛種を見つけたらしく、
とりあえず行ってみることになった。

長毛かぁ。全然興味ないなぁ。
と思いながらいろんな子を見ていると、1匹の子猫が私の顔を見るなり
コロンと転がりお腹を見せた。

え、、、この子かわいい、、、

いろいろな子を見せてもらったけど、もうその時私の気持ちは決まっていた。
あの子なら飼ってもいい。
というか飼いたい。

そしてうちの子として迎え入れることになった。

猫ってこんなに可愛いの?

びっくりした。猫がこんなにかわいい生き物だなんて。

行動の一挙手一投足が、全てがかわいい。
家の中がぱぁぁぁっと明るくなったようだった。

その頃の私は体外受精の治療の真っ最中で、暗いトンネルの中で光が見出せずに
いた。
暗く重く沈む気持ちを、小さなコロコロした生き物が全部吹き飛ばしてくれた。

小さい頃はしょっちゅう体調を崩したり、ご飯をあんまり食べなかったり
手がかかる子だったが、今は元気に大きく育ってくれた。

私のひざの上でお腹を出して寝ているモフモフの妖精をなでているだけで
何とも穏やかな気持ちになった。


猫は最高のセラピスト


何でも猫をなでるだけで、オキシトシンという幸せホルモンが出るらしい。

さらにオキシトシンは、気持ちを落ち着かせてくれるセロトニンや、
快感や多幸感を得られるドーパミンなどの神経伝達物質の分泌を促してくれる。

猫をなでるだけなのに。なんて素晴らしいんだろう。

そして私はこの小さな猫から知らず知らずのうちに逆セラピーを受けていたのだ。

精神的に疲れていたりすると、人間は「誰かの世話にならないと、自分は生活できないのだろうか」などと無力感を覚えることがあるらしい。
そんなときに、自分よりも小さいもの、か弱いものの世話をすることで、「自分にも出来ることがある」というポジティブな感情が生まれ、心身の状態が改善することがあるという。

まさに当時の私のことだ。

子供ができなかったら、どうしよう。
旦那になんて思われるんだろう。
子供ができない私は価値があるのだろうか。

そんなふうに思っていた。

小さなモフモフが私の生活を癒し、生活に張り合いをもたらしてくれた。


一緒に実家へ


1歳の誕生日を目前にした頃、元旦那が浮気していることがわかった。
私は体調を崩してしまい、実家にいったん静養に行くことにした。

もちろん猫も連れて行った。

毎日メソメソ泣いている私のそばにぴったり寄り添い、
流れる涙を舐めてくれた。

猫は移動を嫌うというが、幸いなことにうちの子は大丈夫で、
何も心配することなく実家に馴染んでくれて安心した。

両親もとてもかわいがってくれて、私が寝込んでいてもお世話をしてくれた。

私にとって癒しの存在である猫は、元旦那にとっても癒しの存在だったようで、
別居が始まると様子が明らかにおかしくなっていった。


離れて初めてわかる大切な存在


元旦那のことではなく、猫のこと笑

元旦那が精神的に不安定すぎるのを見て、いったん猫を旦那の元にいかせてみた。

すると、旦那は精神的にみるみるうちに元気になり、
そのかわり私が不安定になり始めた。

元住んでいたところと実家はとても近いので、
いつでも会いに行けるし大丈夫だろうとタカをくくっていた。

会いにいった帰りは(猫と)離れるのが辛すぎてワンワン泣いてしまったり、
何もやる気が起こらなくなってしまったり。

そんな時元旦那から、猫の様子がおかしいから見にきてほしいと連絡がきた。

もちろんすっ飛んで行った。

ドアを開けるなり猫が私めがけて走ってきて、私の胸に飛び込んできた。
そして聞いたことがない声でニャーニャーないた。
その声を聞いて私も泣いた。

寂しい思いをさせてごめんね。
もうこの子を絶対離さない。
そう心に決めた瞬間だった。


この子がいたから強くなれた


それからいろいろあって、私は離婚をすることになった。
旦那に何と言われようとこの子は離さないと決めていた。

向こうは再婚すれば子供ができるかもしれない。
でも私は離婚がいつ成立するかわからないし、成立してから半年は
結婚できないとなると、年齢を考えても子供はもう難しいだろう。

この子は私にとって子供であり、親友であり、もうなくてはならない
存在なのだ。
この子が私に癒しをもたらしてくれたから、ここまで頑張ることができた。
これからもきっとそうだろう。

あんなに小さかったモフモフはだいぶ大きくなり、これを書いている今も
私の隣でくーくーとかわいい寝息を立てながらお腹を出して寝ている。

この幸せな寝顔を一生守りたい、今日また心に誓うのだった。



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