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『おくのほそ道』を詠む⑦


殺生石・遊行柳

これより殺生石に行く。

館代より馬にて送らる。

この口付きの男の子、短冊得させよとこう。

やさしきことを望みはべるものかなと、


野を横に 馬ひきむけよ ほととぎす


殺生石は温泉の出づる山蔭にあり。

石の毒気いまだほろびず。

蜂蝶のたぐひ真砂の色の見えぬほどかさなり死す。

また、清水ながるるの柳は蘆野の里にありて田の畔に残る。

この所の群守戸部某のこの柳みせばやなど、おりおりにのたまひ聞こえたまふを、いづくのほどにやと思ひしを、今日この柳のかげにこそ立ち寄りはべりつれ。


田一枚 植えて立ち去る 柳かな

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俳句は詠む人も大事だが、時代も関係していると思ふ。

野を横に車ひきむけよほととぎす、では可笑しい。

田一枚田植機走る柳かな、ではまったく風情がない。

馬や田植をする人がいて、はじめて詠める句だ。

馬の持つ筋肉の躍動感や田植をする人の味わいのある動きが素敵だ。

俳句に機械はいらない、、と思ふが。

目を綴じて こうべの垂れる 電車かな


どうだろう、時代に合わせて詠んでも面白いかな。

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