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猫が旅立った日

先日、最愛の猫を亡くした。
享年17歳
今月の4日にお誕生日を迎えたばかりだった。

命の危機は今までにも2度程あり、
ストロバイトによる尿管閉塞があったのが
6年前。
甲状腺腫瘍ができて、大学病院で放射線治療を受けたのが3年前。
今回も今までのように、また体調を持ち直してくれるものだと思っていたが…
誕生日を境に元気がなくなり、あまり食べなくなった為、病院に連れていくと胸水が溜まっていて、おそらく心臓の働きが弱ってきている事によるものだろう、という事で、心臓の為の薬を服用しつつ、胸水を3回にわたって抜いてもらっていた。
これで回復していく子もいれば、そのまま回復せず、命を落とす子もいるという獣医師の先生の診断だった。
私の猫は…日に日に弱っていき、呆気なく空へ旅立っていってしまった。

猫の17歳といえば、人間で言うと84歳。
天寿をまっとうしたとも言えるかもしれないが、あまりにも早く感じてしまう。
今は喪失感に打ちのめされる時間を過ごしている。時間が止まった状態が続いている。

今月はいつもより、たくさんの演奏会の本番があったし、教室の生徒の発表会まであった。
リハーサルや本番のある日は長時間の外出をしなければいけないので、夫が見ていてはくれるものの、猫の事がかなり気がかりであった。
でも、どういうわけか、私のスケジュールをちゃんとわかってくれていたかのように、私が家にいる時に…私の布団の上で…静かに静かに空へ旅立っていった。
夫と私の「ありがとう」「ありがとう」の言葉を背中に乗せて旅立っていった。

傍目には私は前のように元気になったと思われている。
いつものようにピアノを弾くし、
お客様には笑顔を向けられるし、
普通に話すこともできる。
たぶん、ピアノの演奏も変わっていないと思う。

ただ…1人になると
時間が止まる…

あの時のあのまま…

あまりにも時間が止まるのが怖くて
今日もピアノを弾く…
明日もピアノを弾く…

どうか、私の音が空に届きますように…
その一心で
ピアノを弾く…

ありがとう…

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