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医療従事者のホスピタリティに感謝

  なっちの親知らずが生えてきてしまい、今から予約して検査して、10月に全身麻酔で抜いてもらうことになりました。なっちはじめての全麻です。

 そして久しぶりに、夫とともになっちを連れて訪れた『大きな病院』。

 なっちは稀少な疾患なので大きな病院にかかりつけ慣れていると思われるでしょうが、実は、年に4回だけ京都の民間病院に通院、それ以外は地域の入院設備のない医院さんにかかりつけています。なっちは比較的健康優良なので地域の大病院のお世話になることは殆どありません。

 7年前くらいに、夜中に痙攣が止まらず救急車で市民病院に運ばれたのが最後かな…

 大きな病院と縁がないのはいいことですが、一方で【万一の時はどうしよう】と心配でもあります。でも、今は地域連携も格段に進んでいて地域のお医者さんが必要な時には必ず紹介してくれますので、それほど不安な世の中でもなくなりました。


 当市の市民病院は4年前に西市民病院と東市民病院を統合してできた5つのセンターを持つ大病院です。今まさに新型コロナの最前線として闘ってくださっている中核病院でもあります。

 入口に非接触型体温測定所があり、マスクをしていることの確認がありました。その先に問診票があり、それを来院者全員が書いてから手指消毒をして病院内に入ります。

 まずそこでお一人の職員さんに『マスクはお持ちですか?』と聞かれました。なっちはマスクができません。持っていましたが秒で取ってしまいます。(もちろん我々両親はしています。そしてなっちのも一応持ってます←ここ大事(^^;)

 その旨その職員さんにお話ししましたところ、行く先行く先できちんと申し送られていて、二度と『マスクはお持ちですか?』と聞かれませんでした。そのことにまず感動…

 なっちがマイノリティ故、できないこと、無理なことを説明するのには私たちは結構慣れています。でも、何度も何度もになると説明する気持ちがしんどいのは事実です。

 そこが配慮されていただけでなく、その上いろいろと申し送ってくださっていたらしく、診察も検査も、患者番号が表示される電光掲示板も少し遠いよ、ってくらいディスタンス取って待っている私たち親子のところにわざわざ呼びに来てくださるご配慮。

 たしかに、一人の若い女の子に両親がつきっきりで、時にiPadを見せ、ポカリを飲ませる介助をし、両手を繋いで移動し、返事も返ってこないのに声をかけまくっているわけなので、なっちに知的な障害があることくらい見りゃわかります。

 見りゃわかるんだから配慮も当たり前だと思いますか?

 でも、実際は、人生においてそんな配慮は非常に珍しかったです。そんなふうに慮っていただけるのは一流ホテルくらいでしょうか。

 配慮が珍しいというよりは、『どう配慮していいのかわからない』のが本音だと思うのです。私だって病態や障害を知らなければどう声を掛けたらいいのかも躊躇しますもん。それが普通なんです。

 でも、わからないなりに一生懸命近づいてくださり、どうしたらいい?と訊ねてくださいました。そのあたたかなお気持ちが、間違いなくなっちに伝わっていました。だからなっちも本当に頑張ってくれました。

 術前検査の日でしたので、採血・レントゲン・心電図などの検査が続きます。そのたびに場所を変え、違う技師さんや看護師さんのお世話になるわけですが、どうしたらいい?と聞いて下さり、私たち両親とともに優しい言葉をたくさんかけてなっちの不安を取り除いて下さり、見事な手技で次々と検査が終わっていきました。

 とはいっても朝一番に行って受付→診察→検査三つ→診察→入院問診→会計と午前中いっぱいかかってこの日の行程を終え、お昼前に病院を後にする頃にはなっちの落ち着きも限界になって、待たなきゃいけないところで待てずに座り込もうとしたり、大きな声が出たり、お父さんに押さえられて余計にご機嫌が悪くなっちゃったり。『疲れたよ~~~!!』って言ってるんでしょうね、当然です。それでも随分理解して頑張ってくれたと思います。

 人間同士の相互関係です。なっちには温かいものはちゃんと伝わりますし、こんな素敵なホスピタリティで接してくださればなっちだって頑張ってくれちゃうんです。


 hospital(病院)という単語はhospitality(おもてなしの心)からきています。『おもてなし』『人を大切にすること』。医療従事者さんたちが、【医療】【看護】という本来の仕事のベースとして患者サービスの質を追求し、日々研鑽されていることに頭が下がります。

 だからこそ、いま、この時期に一生懸命に命や心と向き合ってくれている医療従事者さんに対して私たちができることは『自分たちにできる感染予防を一生懸命にする』というその一点だと改めて思いました。

 命を削ることを要求されながら(きっと悔しいこともいっぱいいっぱいあると思うんですけど)、心を込めて患者さんに寄り添おうとしてくださるすべての方々に心からの感謝を申し上げます。

 

 

 

 

笑顔が増えるための活動をしています。 いただいたサポートは、稀少疾患であるアンジェルマン症候群の啓蒙活動、赤ちゃんから高齢者まで住み慣れた地域で1人でも多くの方が笑顔になるための地域活動の資金として大切に使わせていただきます(^^)