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私が病気になったら『入院しますので後のことはどうぞよろしく』って、言っちゃいます!

 新型インフルエンザ等特別措置法と感染症法が改正になりましたね。時間があったので新旧対称条文をちょっと読んでみました。

 https://corona.go.jp/news/pdf/tokuso_shinkyu.pdf

 今回の改正、風評被害について国や地方公共団体が正しい知識や情報の啓蒙をすることや、感染拡大期には臨時的にでも診療所を作りきちんと医療を提供することなどが盛り込まれているのですが、中でも社会の関心事は、

■『営業時間の短縮命令に背いた店舗への過料』
■『入院を拒否したり、入院先から逃げたりした場合の過料』

 ではないでしょうか。

 この、入院拒否への過料。
 実は、私のような立場の人間であれば他人事じゃないんですよね(・・;)

 そう言えば去年の春先に、『俺はコロナだ!』と飲み歩き、ウイルスを他人にうつしまくってご本人も病状が悪化して亡くなってしまった男性がいましたね。流石にこのニュースはびっくりしました。
 そんなニュースを見たり聞いたりすると、『ウイルスを撒き散らす陽性者が入院を拒否して逃走し、街の中に野放しになっているなんて!!』とお思いの方も多いと思いますが、実は、入院拒否者のほとんどは、そんな悪質なタイプではなくて【入院できない事情がある人】なんです。

 例えば、

◯家で家族の介護をしている人
◯障害を持っている家族のいる人
◯小さなお子さんを一人で育てているお父さん、お母さん

 でも、こうしてみると、これらの人こそ支援の必要なご家族を安心できる預け先や支援者に託すことができ、一刻も早く要介護者や小さなお子さんから感染防止目的で引き離してあげないといけない人たちであることがわかっていただけると思います。

 でも、まだまだそれができる社会じゃないから入院拒否が起こっているんです。それが我々家庭内支援者やひとり親世帯の現実です。

 これらの問題は今に始まったことじゃありません。以前から、私たち家庭内支援者が脳梗塞や心臓疾患になったらどうしよう、癌で治療が必要になった時にちゃんと受けたい治療を選択する権利はあるだろうか、なんてことは、数年前から小さな声を上げ始めてはいたのです。ただ、コロナでさらに浮き彫りになっちゃっただけ。

 そしてついに、【過料】までできちゃいましたけど…。十分な制度もなく【アナタ入院しちゃ困るわよ】と社会に言われているような我々が、入院しなきゃ過料を取られるなんて、どうも納得がいきません(-。-;

 私たちが

『入院しますので後のことはどうぞよろしく』

って、本当に言っちゃって大丈夫でしょうか。

 親知らずの手術入院などたった一泊の入院に大きくて立派な公立の病院が親の付き添いを求め、通学や通勤にはヘルパーの支援を認めず、重度訪問介護で一人暮らしを望む人々に支援者不足でヘルパーが十分訪問できていない社会。

 感染拡大期になれば障害福祉施設が受け入れを拒否し、本人が濃厚接触者ともなれば全てのサービスが頓挫する可能性だって大いにある障害福祉サービス。(㊟最近は随分この辺りの専門性や責任が見直され、懸命にサービスを継続しようとして下さる事業者さんも増えてきましたので、この1年の当事者の声は少しずつ届き始めているようです。)

 まずはやはりここから本気で考えていただかないと、入院できない人々は一定数必ずいるような気がします。

 コロナでただ浮き彫りになっただけだけど、コロナがきっかけで皆さんがイメージしやすく声が届けやすいのだとしたら、今がその時!だと思います。
 病人本人も、その人が支援している要支援(介護)者も、一番安心できるシステムが整うように声を上げ続けること、小さな声でも届け続けることが大切だと思っています。


 ちなみに我が家は、常にそれらをイメージしながら暮らしています。うまくいかないことも多々ありますが、【親なきあと】は常に頭のどこかでイメージし、娘に関わってくださっている支援者さんたちも家族の想いを理解してくださっている方ばかりです。

 と言うわけで、先日、我が家は支援者さんと相談支援専門員さんに宣言&お願いしちゃいました。

『私たち家族が感染して入院を勧められたら迷わず入院しますので後のことはどうぞよろしく』

と。

 実際どんなふうになるか、は、実は私も知っておきたいのです。

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