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お盆の日本列島直撃の台風7号と、できるだけ仲良く過ごした親子旅♪

2023年8月15日。
78回目の終戦記念日。

この日、名古屋【御園座】での『千と千尋の神隠し』のチケットが取れていて息子と一緒に強行日帰り観劇予定でした。


ところが数日前から自転車並みのゆっくりスピードで移動している台風7号が我々の居住地域関西~目的地東海あたりを直撃しそうで、15日当日はJRも私鉄も計画運休を行いそうな雲行きになってきました。

三日前くらいの時点で日帰りを諦め、14~16日の日程で名古屋駅近くのホテルを押さえ、15日の朝に乗る予定だった近鉄特急『ひのとり』を14日に取り直し(奇跡的に同じプレミアム車両が取れた!)帰宅も16日の新幹線を予約し直しました。

息子といつも待ち合わせで使う【大阪駅西口コンコース】はいくら台風直撃とはいえこのお盆時期に人っ子一人いない閑散ぶり。

綺麗なトイレを使用し、きれいなコンコースで写メを撮り。

大阪駅西口改札、ご存じない方は一度行ってみてくださいね。
とってもきれいな新しい改札です。

そして、14時頃には名古屋駅到着。
まだそれほどお天気も崩れておらず、二人で【まるや本店名駅店】でひつまぶしを堪能。
いちばん混んでいない時間帯ではありましたが、それでも40分くらいは並びました。

まるやさんはハーフサイズがあるので女性にもおすすめ。もちろん男子はがっつり一人前を(o^―^o)ニコ

ホテルにチェックイン後、御園座周辺がどうなっているかな、明日の公演はあるのかな…と下見を兼ねて伏見駅へ。
劇場周辺は開園間近でにぎわっており、台風の影響は感じられませんでした。

明日の台風で濡れてしまってはいけないので今日パンフレットを買いたいのですが、と御園座のスタッフさんにお願いしてみると、一度中に戻り、パンフレットを持って出てきてくださいました。
有難く事前購入をさせていただきました。

その後、名古屋市内に住む友人にTEL。
「こんなお天気だけど、今夜おすすめのお店などない?」と聞くつもりが、今日は時間あるからと言って彼女が夕飯に付き合ってくれることに!!

14時にひつまぶしを食べた我らでしたが、少しホテル休憩したのち彼女が探してくれた焼き鳥居酒屋へ移動。
話に花が咲くばかりでほとんど食べないかと思いきや・・・お料理がおいしくてこれまたちょっとずつ食が進む^^;

彼女は娘と同じアンジェルマン症候群の男の子(成人済)のお母さん。
地域差はあるものの似たような生活課題を抱えているし、こうなればいいなぁ…と思い描く未来も似ているので、いつも二人で熱く夢を語り合ってしまいます。

私たち親は、いつもそれなりに忙しくて、それなりに一生懸命で、それなりに疲れています。
でも、こうして話してみるまで自分が【頑張っている】ということに気づいていません。

だから時々こんなふうにお互い話を聞いてもらいながら、話をしながら自分自身の気持ちも整理して自分を認めてあげることがとっても大切です。

時にはエンジンがかからないこともあるし、なんとなくやり過ごすだけで疲れている日々もあるのです。そしてそれを見て見ぬふりして惰性で生きている時期もあるんです。

でも、それでいいの。
終わりの見えない世界なんです。
そんな日々が数か月~数年続いていくことさえ善しとしてあげなきゃ壊れてしまう。

でもそんな二人がそれぞれ自分の生活をただただ語るだけでお互いに『よしがんばろう!!って思えたよ、ありがとう!!』っていう気持ちになるから不思議。
お互いに、違う頑張りをしていることがお互いの気持ちを刺激するのかな…。

しんど、ってならない会話になれるのが親友のいいところ。

たくさん食べて飲んで、いっぱい喋って突然のオフ会は終了です。
これでまた何とか元気に生きていこうね、ってことで^^;

そしてホテルに戻って早めに就寝。
翌朝の東海地方は風はあるもののそれほど雨の量は多くなく、風がひどいから傘をささないという気持ちになれるほどの雨量です。
できるだけ地下道を通り、濡れない道を模索し移動しました。

そして名古屋御園座。
この日のチケットは5列だったので「前方だぁ、ワクワク!!」と思っていたところこれが実は最前列であると気づいたのは入場後。

『え、最前列やん・・・』

嬉しい誤算。

作り手の原作へのリスペクトが半端なく、目の前に間違いなく在る『千と千尋の神隠しの世界』に入り込んでいきました。
ジョン・ケアードによる演出。
2.5次元の神様ナカサチ氏(中原幸子)による細部まで作りこまれた衣装。
ミュージカルではないのに生オーケストラによる音楽。
ゴージャス!!

この公演、来年2024年には日本の5大都市公演と並行してロンドン公演が予定されています。
どなた様にも一度は観ていただきたい最高傑作です。

特に私が引き込まれてしまうのは千尋がカオナシたちと列車に乗って沼の底駅を目指すシーン。
静かな静かなシーンでセリフもほぼなく、流れゆく景色の中進む列車と、影のような人々の乗降と、千尋たちが揺られているただそれだけのシーンですが、情景と心理描写にこちらも涙が静かに流れます。

なんだろ…この世界観からの溢れそうなほどのメッセージ。

台風の中、不思議な世界を堪能しつくし、そうこうしているうちに嵐は去ってくれたようでホテルに戻る頃には傘もいらないお天気に。

明日(16日)の帰宅はきっと大丈夫だね、と二晩目の眠りについたけどそれは甘かった…のです。


翌朝。
10時過ぎの新幹線で帰宅予定でした。
ところが、ホテルで朝食をとっている8時半ごろ、スマホのポップアップが、静岡県の豪雨により雨量計の上限を超えたため【東海道新幹線運行停止】を告げました。

『え???マジ?』

8:30時点で静岡県を西方面に通過した新幹線だけが動いているという状態。
朝食を終え、急いでパッキングをし、メイクもそこそこに名古屋駅に向かうとホームへの入場制限も始まっていて名古屋駅改札前・コンコースは人で溢れています。

外国人さんはこういうとき壁を確保するんですね。
時刻通りに列車が動かないことに慣れていらっしゃるのでしょうか、早々に壁側を確保し壁に寄りかかって長く待つ覚悟ができておいでです。

日本人の多くは無情な電光掲示板の前で立ち尽くす方が多い・・・
そして有人とわかれば精算所だろうが警備員さんだろうが『どうなっているのか?』『いつ動くのか?』と詰め寄る・・・のです。

怒るというよりほぼ困惑・戸惑いですよね。

動かないものは動かないのよね…
と旅慣れた我々親子は半ば諦めつつ、でもどうすれば帰れるか、かなり冷静に考えを巡らせます。

東海から関西です。
いろんな方法があります。
まだ近鉄特急も座席確保が可能でした。
ハイウェイバスで神戸に行くことも可能でした。

ですが、よく耳を澄ませていると、『遅れておりますのぞみ〇〇号博多行き、あと数分で発車予定でございます!お乗りの方はお急ぎください!!』とアナウンスがあり、入場制限の改札を一つだけ開放して乗る人を通してくださっているではないですか!

要するに、止まってしまった静岡よりも西側に走ってきていたのぞみやひかりは行けるところまでは行ってくれるようなのです。

もはや座席云々ではありません。
行先も停車駅も考えてはいられません。
できるだけ西側へ、できるなら京都以西へ。
近畿圏に入りさえすれば慣れた在来線でどこまででも行ける。

そう考えて2分後に発車するのぞみに飛び乗りました。
息子は日ごろ筋トレで鍛えた脚力と腕力発揮。キャリーバッグを抱え上げ、階段を駆け上がる!
私も付いて走りました。

これが我々最大の幸運で最高の判断となりました。
これ以降の新幹線はほぼ動かなかったようです。

飛び乗ったのぞみは新大阪まで我々を運んでくれました。
デッキは人で溢れかえっていたので11号車の座席通路に立っていたのですが、在来線に比べ全く揺れない快適さ。
YouTubeなどを見ながら50分ほどの立ちっぱなしは意外にも全く苦痛なく快適だったのです。

新大阪で下車して精算所で精算をお願いしたところ、行くはずだった駅までの特急券乗車券分を手際よく二人分返金してくださり、我々は在来線で自宅近くの駅まで帰りました。

結果、ほぼ予定していた時刻に自宅につくという奇跡が起きていました。

間一髪でした。


今回の旅。
もちろん旅慣れていることは確かにあったとは思いますが、それ以上に、どうにもならないことには抗わないこと、できることを冷静に思考すること。
そして運。
トラブルも旅の醍醐味。

その結果、台風さんとそれほど喧嘩することなくうまく困難を回避できたのではないかと思います。

お陰さまで大雨にも大風にも遭わず、交通の乱れによる影響は最小限にし、台風と仲良くお付き合いしつつ予定を完遂できたようです。
(やめようとは不思議と思いませんでした💦)

いろんなことが起こるけど、やっぱり旅は楽しい。
せっかくの予想外の出来事はできるだけ楽しまなきゃ!


2023年夏の思い出です。

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