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感音性難聴の説明の難しさ。

実は難聴にも種類がある

これは私自身、感音性難聴と診断されるまで知らなかったことなのですが、「難聴」には大きく分けて3つの種類があるんです。

「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」の3つです。

これらの違いは、障害部位にあるのですが、私の場合は、このうちの障害部位が内耳や蝸牛神経、脳である「感音性難聴」に当てはまります。

感音性難聴はただ単に音が聞き取りにくくなるだけでなく、音に歪みが生じるもので、補聴器をつけたからといって完全に聞き取れるようにはならないと言われています。

友人に難聴の程度や聞こえ方について上記のように話すと、高確率で

「音が歪むってどういうこと?」

と不思議そうに聞かれることが多いなと感じます。

また、説明する時に「音は聞こえるんだけど、言葉として入ってこないこともある」と言うと「なるほど…」とは言いつつも不思議そうな表情をする人が多いです。

だけどこれすごく説明が難しいんです😂

感音性難聴だと診断された小学生の頃から大学生の今に至るまで、新しく出会った先生方には一番最初の授業を受ける際に、聴覚障害があることを伝えてきました。

その度に大体聞かれるのが

「今の声の大きさなら聞こえる?」

なのですが、音は聞こえるので「今くらいの音は聞こえます」と答えてきました。

ただ、前述したように音は聞こえるのに言葉として認識できないことがとても多いので、先生や友人との会話中に聞き取れない箇所があった際、もう一度言って欲しいとお願いして話してもらっても、やはり一部が不明瞭に聞こえ、結局「さっき話してた内容ってこういう内容であってるかな…?」とはっきりとした確信を持てないまま会話を終えてしまうことが多いのです。

この場合、相手の声量に全く問題はないので、「ごめんね、聞き取れなかったかな」と言われると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。


病院での反応は毎回一拍置いてから

個人的に「音は聞こえるのに、言葉として認識できない」「一部が不明瞭に聞こえる」ことが特に困るのは病院で名前を呼ばれる時です。

以前、感音性難聴の聞こえ方について検索したところ例として挙げられていて「これあるあるだな」と思ったことなのですが、自分が呼ばれているのか、他の人の名前を呼んでいるのか分からないということがよくあります。

例えば、私の苗字が「さとう」だったとします。
診察室に呼ばれる際や、会計をする際に苗字で呼ばれると、音は聞こえる大きさなので「〇〇○」という3文字の苗字であることは判断できるのですが、「さとう」の「さ」の部分がはっきりせず、「とう」なのか「とう」なのか判断できないことが多いのです。

そのため、病院で名前を呼ばれた際、はっきりと聞き取れない場合は、即反応するのではなく、一拍置いて、その間に周りで立ち上がった人はいないか、「はい」と返事をした人はいないかを確認してから立ち上がる、ということがよくあります。

その他にも、「B」と「E」の聞き分けができないなど色々と音が不明瞭に聞こえることで困ることはあるのですが、よりによって1番重要なワードが聞き取れないということもよくあります。

「これ〇〇に置いてきて欲しい」「〇〇に10時に〇〇に集合って伝えて!」など、そこが聞き取れないと困る…というところに限って聞き取れず、聞き直してもはっきりと確信を持てなかったことは数知れず…

厄介だなあと思いつつ、十数年色々と工夫しながらこの障がいと付き合ってきました。


「補聴器=完全に聞き取れるようになる」というわけではない

よく誤解されがちなのが、補聴器をつけているからちゃんと聞き取れると思われることです。

確かに拾える音が多くなった分、今までは認識できていなかった音にも気付くことができましたし、補聴器をつけていないと聞き取れない音も補聴器をつけていると聞こえてきます。

ただ音の歪みは補聴器ではどうしようもできないので、「音は聞こえるけど、言葉として認識できない」という状況が起こることに変わりはありません。


難聴者でも聞こえ方は十人十色。
その人その人によって、聞き取りやすい音や苦手な音、悩みは違います。

以前出会った人はこうだったから…と決め付けず、その人その人に向き合って欲しいと思います。


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