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食物アレルギーの概念を一新させた「二重抗原暴露仮説」

従来、

食物アレルギーは

経口感作により成立すると考えられていました。


しかし、

2008年に

英国の小児科医のLack先生は、

食物アレルギー発症の仕組みについて

二重抗原暴露仮説 (dual allergen exposure hypothesis)

を提唱しました。



すなわち

食べ物の暴露経路には

2つの経路が存在し、

経口暴露は

本来あるべき免疫寛容を誘導するのであって、

アレルギー感作は

経皮暴露により生じる!

と説きました。


この仮説によって

「経皮感作」という新たなメカニズムが提案され、

食物アレルギーの概念は一新されました!



この仮説提唱の背景には

ピーナッツアレルギーの疫学調査で、

皮膚炎に塗っていたピーナッツオイルが発症リスクになる

との発見があります。



その後、

表皮バリアを司るフィラグリン遺伝子変異が、

アレルギー疾患の発症リスクになる

との知見が報告されたことを機に、

表皮バリア障害から始まる経皮感作のメカニズムの解明が進み、

この仮説を病態的側面から支持しました。


<参考資料>

猪又直子 アレルギー 2016; 65(9): 1228-1229.


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