課程博士(甲)学位審査(後編:当日)

前回、学位審査当日までの流れを大まかに書きました。
今回は学位審査当日の様子を書いてみようと思います。

私は講義室?みたいなところでの審査会でしたので、前日からプロジェクターが作動するか、ポインターはあるか、マイクはあるかなどをチェックしていました。チェックしとけ!と教授に言われたからですが、チェックしておいて良かったです。当日になって焦ることもないですし。
ちなみに私の大学は、学生課が全く関与してこなかったので、自分でやるしかなかったです。学生課が準備してくれるところとかもあるんですかね?プロジェクターが上手く作動しなかったり、動画が動かなくて、審査の先生たちが怒ったりというのは聞いたことがありますので、みなさん準備は抜かりなく。

そして当日1時間前に再度プロジェクターを確認。またその部屋は、その日私以外使用されることがなかったようで、30分前に暖房を入れて、医局でリラックスしてました。

あんまり待つのも嫌なので10分前に行ったら、すでに副査の2人が座ってらっしゃいました💦やってしまいました、、、急いで準備を行いましたが、誰よりも早く来て準備して待ってるのが好ましいですね。そして指導教官やら医局の数人が来てくれました。

定刻になると、主査の先生より「それではこれより、~先生の博士課程審査会を始めます。~先生、よろしくお願いします」との掛け声で、審査会が始まりました。

私は研究内容をintro, method, result, discussionの順に論文の流れに沿ってプレゼンしました。この辺りは、先輩やら指導教官やらの指導があったり、他の人の発表を真似れば良いかと思います。発表時間は私は15~20分くらいでした(これも人や施設によってさまざまと思います)。

そして怒涛の質疑応答。およそ40-50分。長かった。(これは決まりはないみたいです。だいたい30分くらいと聞いてましたけど)。長かったですが、自分としては概ね素直に答えられたのではないかと思っています。変に攻撃的な内容もなかったですし、重箱の隅をつつくようなこともなかったような気がしています。審査員に感謝。

私は臨床研究だったので、参考になるかはわかりませんが、覚えている質問内容を羅列してみます。

・症例数が少ないのがリミテーションと述べているが、理想はどれくらいの症例数が必要なのか?検出力を80%としたとき、90%としたときどうなるか?
・症例数が少ないが、この統計解析は妥当と言えるか?
・症例数を集めるためにどのようなことをするべきか?
・予後調査はどのように行ったか?
・t検定を使っているが、なぜか?
・t検定を使うのはどのようなときか?
・ノンパラメトリック検定で解析した場合とt検定で違いはないのか?
・多変量解析を使用する目的は何か?他にはどのような方法があるか?今回はなぜこの方法を用いたか?
・多変量に組み込む因子の設定はどう決めたのか?
・合併症がこちらの群で高くなる理由は何か?
・合併症の定義は何か、~の定義はなにか?~は~と定義して良いのか。
・~を解析から除外している理由はなにか。
・先行文献ではどのような意見が多いのか?
・なぜ今回の結果は先行文献とは異なるのか?
・今回の結果から何が分かるのか?
・なぜこのテーマを研究しようと思ったのか?
・今回の結果をみて何が変わるか?何を変えたいか?臨床にどうつながるのか?
・ここの論文の表現が分からないから教えてください
・生存曲線の書き方は正しいか?(死亡率とイベントで書き方を変えた理由はなにか?)
・手術方法について説明してください
・この手術方法が標準的かどうか教えてください。他の方法はあるのか教えてください。
・統計学的有意差が出ていない結果についてどのように考えますか?
・なぜ本研究では女性の割合が多いか
・この群で~が多い理由はどう説明するのか?どのような可能性があるか?
・予後調査をどのように行ったのか
・時代とともに手術法は変わらないのか?また時代とともに変わるものはないのか?針や糸など手術器具など変更していないのか?変更しているならそれを同じように解析しても良いのか?
・研究していてい一番大変だったところはどこか?
・解析で一番難しいところはどこだったか?
・論文執筆で一番苦労したところはどこか?

などなど。他にも基本的な疾患のこととかも聞かれた気がします。良かったことは、ある程度質疑応答についても準備していたので対応できたこと、質問内容が奇をてらったものがなかったこと、研究のこと以外のことも聞いてくれたことですね。大学院で病む人が多い中、こういう質問は嬉しいです。悪かったことは、準備期間が短かったというのもありますが、燃えなかったことです。私としては、学位審査の大変さも聞いていたので、ここに向けて精根つきるほど頑張って、終わったら抜け殻になる予定でした。が、実際はそんなこともなく、学会発表と同じくらいのノリで終わってしまいました。真剣に立ち向かえなかった自分に反省です。なので、終わったことは嬉しいですが、いまいちやり切った感がなく、終わってしまったというのが素直な感想です。あとは、バシっと質問に対して答えられなかったのも反省です。なんだかんだ理由を述べて言いたいことがグルグル回ってしまってたような気もしており、日本人ぽい答え方になってしまってたような気がしました。

よく言われますが、学位は取っても何のメリットもない、ただ気になるだけの存在=足裏の米粒と言われています。問題は、この学位を頂いて、その後に活かしていけるかだと思います。この数年間費やした経験や知識を、今後も生かしていけるかどうか。ここがスタートラインとなりますので、今からなお一層頑張っていこうと思います。

最後に、学位審査の前の心構えでお世話になったyoutubeがこちら。叱咤激励してくれていて、頑張るぞ!という気になりました。もし良ければ参考にどうぞ☺

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