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燃えよ

僕が京都に来て初めて掲示板で出会った人。

それがR君だった。R君は露出が大好きだった。彼とはいろんなとこに行って露出をして楽しんだ覚えがある。

そんな彼はとても逃げ足も早く、隠れるのも上手かった。

そんな彼も、その特技を活かして…なのかは分からないが、今ではアメリカで就職してステルス戦闘機を作る人になっていた。




僕が4回生の時だった。

R君から久しぶりに連絡があった。就活で大忙しだった彼とは最近ずっと疎遠になっていた。そんなR君からの久しぶりの電話。僕はちょっと嬉しかった。

別に付き合ってるワケじゃないけど、なんか彼のことは嫌いじゃないし趣味も合うし、付き合ってもいいような気もしていた。

しかし、そんな彼からは付き合うとかではなく、就職してアメリカに行ってしまうことを聞かされた。電話ではアメリカに行ってしまう前にどうしてもお願いがあるということで、僕は呼び出される事になった。


彼の大学は僕の大学から近い。彼もまた国公立の大学生で優等生だ。見た目はどこにでもいる大学生。でも今思ったら、最近の流行りのマッシュヘアで、今のジャニーズにいてもおかしくない感じの令和のイケメンだった気がする。


その晩、R君のマンションに行くと、いつものように全裸で彼が出てきた。これが彼流のお出迎えなのだ。しかも、必要以上に全裸で部屋から出てこようとする。真の変態というのは本当によく分からないのだ。

とりあえず、彼流のおもてなしを受けて、ひと段落してR君は語りだした。

Rくん『大学生活ももう2ヶ月もないし、どうしても最後にやっておきたい事があるから協力して欲しい…』

神妙な面持ちで話してきた。何か真剣な感じがする。いもう彼とは4年の付き合いになる。この際心残りが無いように協力して、彼をアメリカに送り出してあげたい。

僕『わかった、できる事なら何でも協力する!!』

Rくん『ありがとう…TAKERU君とは趣味も合うし、本当に出会えて良かった…どうしても最後にTAKERU君とSEXしておきたくて…』

えっ…えぇぇぇ…

なんか告白じゃないですか?めっちゃ純愛じゃないですか…SEXなんて散々やったのに最後の思い出SEXがしたいんかい…めっちゃ可愛いじゃん。Rくん…なんか付き合いたい、守ってあげたい…そんな気持ちになるくらい、僕は彼のそのお願いに心打たれた。

僕『そんな…そんな事なら全然大丈夫だよ!!いつでも、帰国する機会があったらまたその時でも…会おう…』

僕は彼を優しく抱きしめるように引き寄せた。思い出SEXで最高の思い出を作ってあげようじゃないか…

Rくん『ありがとう…じゃあ、準備しておくから予定をまた送るね』

ん…準備?予定?今じゃないの?

Rくん『今日は普通にするだけだよ…』

その日はRくんと普通に極寒の中、全裸徘徊をして、マンションの廊下で69してイカせ合いをした。


それから、一週間後だった。彼から電話がかかってきた。準備ができたから思い出SEXをすると。

決行は3日後の金曜日。

その時に明らかになるRくんの壮大な思い出SEXの全貌…僕は恐怖に慄いた…。



それから3日後。僕は言いつけ通りにオナ禁をして彼の大学に向かった。一体自分は何をしているんだろう…自問自答しながら、それでもチャリを漕ぐのだった。

Rくんに言われた通り大学の入口に行くと、ちゃんと彼がいた。

チャリを降りて彼に近づくと、ちゃんとアレ持ってきた?と聞かれた。はいはい、持ってきましたよ。

それは彼から事前に貰っていた、彼の大学の名前入りのジャージだ。僕はちゃんとコートの下にジャージを着てきた。

Rくん『OK!じゃあ行こう!』彼は満足そうに頷き歩き始める。


さてここで、Rくんがいったい何をしたいのか…彼の夢に関して説明する。

Rくんがやりたいコト

①教室でSEX

②バイブ入れたまま黒板

③図書館でSEX

④体育館でSEX

⑥非常階段でSEX

⑦大講堂で縛られて犯されフィニッシュ

今からこの放課後の大学で、R君が見つけた空き教室でSEXをしながら移動を繰り返しお題をクリアするという、謎のオリエンテーリングをしないといけないのだ。

しかも、人に見つかったいろんな意味で全てがアウト。おそらく、R君は僕を見捨てて逃げるだろう。彼はそんな人間だ。他大学に変装までして不法侵入…将来が一撃で終わるタイプの爆弾じゃないか。

とにかく、全てのお題をクリアして、さっさと大学を出ないと大変な事になってしまう。これは人生をかけたオリエンテーリングなのだ。


まずは第一の題目である教室でのSEX。これは既にRくんが場所を見つけてきてくれている。鍵のかかってない小教室で30名程度が入るこじんまりしたとこ。まずはそこでSEXだ。

無事に教室にたどり着いた僕たちはすぐに裸になってSEX開始。その日のRくんは凄かった。積極的というか…興奮しているのか声がやたらデカい…。

Rくん『こんなとこで…あーんダメーーー!!』

自ら率先して全裸になってケツを突き出しているにも関わらずこの言いよう。教室のいたるとこでヤって満足したのか、次は教室でバイブを入れて黒板だ。

これは簡単で、Rくんのケツにバイブを入れたままで黒板に彼が何かを書くというものだ。僕は横で先生役をして、彼のバイブの強弱をつけてあげたらいいのだ。

Rくん『あっあーん、先生、そんなに強くしたらバレちゃーう!!』

はいはい…あなたの声でバレてますがな。

こんな寸劇を10分ほどやって大満足のRくんは次の場所への移動を開始する。

Rくん『ここまでは順調だね!!次はちょっと危険だけど頑張ろう!!』

少し疲れた僕をRくんが懸命に励ましてくれる。


次のお題目は図書館でSEX。図書館のゲートは難なくクリア。僕の大学の学生証は彼の大学の図書館にも入れるのだ。

Rくんの事前の調査によると、かなり奥にある宗教関連の本が置いているエリアが穴場とのこと。なんの穴場なんだか…

しかし、実際に行ってみると穴場だった。図書館自体は人が多かったが、そのエリアまで本を取りに来る人はいない。人気も全くなかった。これなら大丈夫だろう…とりあえずRくんを…

彼は既に全裸になっていた。

もうこの人の頭の危機管理能力というものは正常に機能していないんじゃないかと思った。

全裸のRくんは僕も全裸になるように促すが、そこは軽くスルーしてフェラするように促す。Rくんはすぐにフェラ開始。僕は知っている…彼はドは付かないがM気質なのだ。だから、脱げと言われるのも好きだし命令されてHな事をさせられるのも大好きなのだ。

幸いにもSEX中の30分くらい人は全く来なかった。Rくんも大満足で図書館は撤収となった。

さて…次はそこそこの難題となる体育館だ…


Rくんの大学名が入ったジャージを着ながら大学の体育館に行くと…やはり運動部が練習中だった。

僕『これは厳しいんじゃない?』

Rくん『大丈夫、考えがあるから』

セリフだけ聞くとかっこいいけど、彼は体育館でSEXがしたいだけなのだ。

Rくんは堂々と体育館に入って行った。僕に自分について来いと目で合図する。そのまま彼は近くの学生に声をかける。

Rくん『スコアボードって倉庫にしまってるの?』

学生『あー、倉庫にあると思う…』

若干不審に不思議そうな感じで僕たちを見るが、R君は堂々と『ありがとー』と言うとすぐに倉庫の方に向かっていく。あまりに堂々としているせいか学生も不審とまでは思ってない感じだ。

Rくん『こういう時は堂々とするのが一番なんだよ…あと時間がないから動きながら勃たせといて』

セリフはかっこいいが情けなくなってくる。

倉庫に入るや否や、Rくんは倉庫内を確認、そしてすぐにフェラ開始。この動きに躊躇いなどなく、ものの30秒程度でSEX開始だ。倉庫に人が近づいて来たら分かるように、そして外からは見にくい絶妙な位置をキープ。全てが計算されている。

そう、彼はこの日のためにココに下見に来ていたのだった。

Rくんの準備のおかけで、挿入まで2分もかからなかった。彼は声を押し殺しながらも興奮がMAXだったのか、何度かイキそうになりながら耐えていた。

しかし、その時は唐突に訪れた!!ものすごい速さでこちらに迫ってくる人影が見えた。なんか知らないけど走ってこっちに向かってくる。

僕『やばい、誰かくる』

Rくん『えっ、スボンあげて!!』

いやいや、僕はいいけど…Rくんは全裸だ。もはや絶体絶命…と思ったが彼はすぐに暗がりの壁に張り付きコートで自分を隠す。もはや忍者の所業。

僕もすぐにスボンを上げて倉庫内で探し物をするフリをする。

ものの10秒程で運動部員が入ってくる。彼は人がいた事に少し驚いていたが、僕がどうもと挨拶すると『うっす』とだけ言って、なんかカゴからいろいろ備品を出していた。

もちろんR君に気づく素振りもない。

僕は不安になり彼の方をチラチラ見る。暗闇とコートのおかげで目を凝らして見ないと彼の事を視認する事は不可能なレベルだ。念なら凝が必要な感じ。

時折コートが揺れてる感じがする。Rくんも手が疲れてきてるのか?と心配して見ていると、コートの隙間からアレを出している…何をやってるのか…頭がおかし過ぎる。とにかく僕はRくんが見えないような位置に陣取り運動部員の視線を塞ぐ。

1分程そのまま経過して、運動部は出て行った。去り際に何か探してるの?って聞かれたけど、咄嗟に「友達が今から備品を持ってくるから待ってる」と嘘をついたら納得して出て行ってくれた。

もうダメで…精神的に僕は耐えられないかもしれない…精神がおかしなりそうだ。さっさと残り2つのお題をクリアしてココを立ち去らないと…気が触れてしまう。

Rくんはまだ壁に張り付いていた。

僕『Rくん?早く行こう…』

コートをどかすと…

Rくん『もう…ダメ!!』

そう言うとRくんは派手にイッた。それはそれはすごい飛距離だった。えっ、こんなに?って言うほどの量と飛距離。声にならない声をあげていたと思う。

イキ終わると彼はその場にへたり込んだ。この緊張感が彼には最高のおかずになったのかもしれない。ちなみに、今でもこの時に勝る快感は無いと彼は語る。


しかし、そんな余韻に浸っている場合ではない。またすぐ誰が来るかも分からない体育倉庫。しかも、そんなに長居していたら怪しまれる。

とにかく僕はRくんに服を着させて、持っていたタオルで床を拭きいろいろ確認して一緒に倉庫を出た。Rくんは力が抜けてヨタヨタと歩いていた。不自然だがもういい。ここに来る事は二度とないだろう…


体育館を無事に脱出してから僕はRくんに『残りどうする?』と一応聞いてみる。最大の難所は過ぎた、あとは非常階段と講堂での縛りプレイだが…

Rくん『ごめん、今のでなんかもうダメかも…今日は全部できない、、、ごめん帰ろう…』

彼は謝ってくれたが、僕は願ったり叶ったりだ。むしろ続行を告げられる方がゴメンと謝って欲しいくらいだ。



その後、時間を取れることは無くRくんはそのままアメリカに旅立ってしまった。最後に会った時に彼は言った。全部できなかったのだけが心残りだった!また今度ね!

また今度なんてあるワケないが。








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