見出し画像

いい日旅立ち・西へ

その日はとっても穏やかな日で、温かい初夏の日だった。

3回生の僕は大学にも慣れて、友達も少しはできて、楽しい日々をおくっていたと思う。

そして、その頃には掲示板マイスターを名乗れるほどに掲示板を駆使していた。軽いリアルから重たいものまで何でもOKだった。



その日は先生の都合で午後の授業が無くなって、テンションも上がっていた。

自主勉してもよかったが…掲示板の虜になっていた僕は授業終わりに早速掲示板をチェックした。

ざーって流して見たが京都にはこれって感じの人がいなかった。

普段は見ないけど、その日はなぜか大阪の掲示板を見てしまった。同い年の子が大阪でやれる人を募集している書き込みがあり、僕はそれが気になってしまった。

メールを送ると返信もすぐあって、会いたいって事になり、1時間後に大阪駅で会う事になった。京都から大阪は新快速で30分くらい。十分だ!

僕はチャリでぶっ飛ばして京都駅に向かい、新快速に飛び乗った。


『すみません、ちょっと用事ができたので会えなくなりました!』


高槻を過ぎたあたりでこんなメールが…。

ちっ…こちとら京都から出向いとるんや!!と怒りだったが仕方ない。こうなったら現地調達するしかない…。

こいつのドタキャンメールは無視して、掲示板を確認する…。特にめぼしい人はいなかったが…隣の神戸から会いたいという人の書き込みが目に入ってしまった。

掲示板は地域毎に分かれているが、たまーにこうやって越境して書き込んでくる人がいるのだ。

大阪キタの掲示板に神戸から…ただ、内容はとっても良かった。年も近いし、やりたいプレイが具体的に書いてて、さらに場所あり。

仕方ない…

神戸には行った事が無いし、終わった後に観光して帰ろう!

という事で、神戸の人にメールを送る。返信は梅田に着いてからだったが、会いたいという事になった。僕はすぐ新快速に飛び乗った。神戸なら新快速で30分程度だ!待っといてね!!テンションも上がる。


しかし…神戸に着くあたりだった。彼が写真を交換したいと言ってきた。まぁいいだろう。

こっちの写真を送る。すると返信があり、こっちの事を気に入ってくれたみたいだった。そして…

『さっきのプロフなんですがフェイク入ってて、年齢は24じゃなくて41なんですがよろしいですか?』

というとんでも返信があった…。

何をふざけた事を…ええ加減にせぇよ。


仕方ない、現地調達するしかない…。年齢カミングアウトメールを無視して、掲示板チェックを開始。

すると…姫路で会いたいという19cmのマグナムを持った大学生が募集していた。

悩む…

すんごい悩む…

神戸から姫路は新快速で1時間。

これは…これは悩む…



僕は新快速に飛び乗った。

もうここまで来て後には引けないのだ。

幸いにも姫路の大学生にメールすると会いたいという事でOKを貰った。今度は写真も先に交換して、万事OKだ!!写真もそこそこイケメンで、これは京都では見ない逸材じゃないか!姫路で一発やって、姫路城を見て帰る!これはこれでOKなのだ!!!!

姫路に着いたあたりで、待ち合わせはどうするかメールを送る。

10分後…返信なし

20分後…返信なし…


あっ、やられた…

チクショーーーーー!!!!

ここまで来て引き下がれるか!

退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!

現地調達や!!!!!




なんだかんだいろいろあって僕は岡山に向かっていた。

あぁ日本のどこかに、私を待ってる人がいる…

出逢いも、別れも夕暮れに預けたら、自分の影を探しに西へ行く…


岡山に着いたのは18時過ぎだった。

さらに、そこから列車を乗り継ぎ中庄というとこまでやってきた。

彼の名前はE君。一人暮らしの大学生で、掲示板に書き込みをしていたのだった。彼はその日にすぐ会いたいという内容ではなく、いずれ日程を調整して会いたいという旨の書き込みだったが…僕はどうしてもE君に会いたくて、こうやって岡山まで来てしまったのだった。

というより、岡山通り越して倉敷まで後一歩のとこまで来ていた。

彼の家に着いた頃にはもう19時半になっていた。

しかし、彼は中庄の駅まで迎えに来てくれた。背は同じくらいで大学生でオシャレでカッコよかった。

しかも…なんと彼は近くにある私立大学の医学生。一人暮らしの家はとても豪華で金持ちだった。

ただ、そんな事はどうでも良かった。とにかくHがしたかったから。僕は彼の家に着くなりもういきなり襲い掛かった。積極的な僕に彼も大満足のご様子で、そのまま2時間コースでHを楽しんだ。こっちはこのために京都から来てるわけだから、ここは楽しめるだけ楽しんでおかないと…

そんな激しいHも終わり、時計を見ると21時半…

マズイ…僕は京都に帰らないといけないんだ!

彼もそれを知っているので大丈夫?と心配してくれた。

そっから、なんだかんだあって、彼のいらない参考書とかを貰って、車で最寄りの駅まで送ってもらった。車はもちろん外車。

別れ際に彼は2万円渡してきた。

わざわざ自分のために京都から来てくれてありがとう!彼はそう言ってポケットに入れてくれた。京都から来た事は事実だが…。一度は貰うのを辞退したが、彼はそのまま車のドアを閉めて早く行くように促してくれた。


本日何回目かの、駅から電車に飛び乗り…

岡山駅できび団子を購入して新幹線に飛び…以下同文。


京都に着いて、寮に戻ったのは1時過ぎだった…。まさか、こんな長旅になるとは思わなかった。


しかし…この時、この人と出会った事で、僕の進路が決まる事になるとは…この時はまだ知る由もなかった3回生の5月だった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?