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Nino Vallecas.

work in progress.
mixed technique.
Nino vallecas.
reproduction.
Diego Velazuqez.

Nino vallecas.

今回は17世紀スペインのフェリペ4世の宮廷画家ベラスケスの[バリェーカスの少年]の模写をした。
ベラスケスといえば17世紀スペインを代表するバロック期の巨匠として知られ彼の代表作[ラス・メニーナス]はヨーロッパ絵画史上名画中の名画として名高い。
今回のバリェーカスの少年も彼のそんな代表作の一つである。
そもそもバリェーカスとは何かについてだがこれは彼が活躍したスペインのマドリード郊外にある地名である。少年の名前は[フランシスコ・レスカーノ]で宮廷に仕える人である。
ベラスケスは当時の画家は描く対象として見ていなかった小人や道化師などを時々描き、この作品もそのうちの一つになる。
少年の後ろにはグアダラマ山脈が見えていて少年の手にはトランプカード。そして狩猟用の服装で座っている。

【技法について】
そもそも技法とはその人の技術に伴いその人の思想や思考が反映されて初めて技術というものが確立される。
つまり過去の技法を知識で知るだけではそれは技術を得たのではなく、技術の方法を覚えた。程度にしかならないだろう。
と言いつつも実際に模写をしても中々難しいのが現実だ。
模写をする際に技術・技法を習得するには何が良いかは自分が何を重視しているかを自分で分かっている事だと思う。
つまり別に本人の筆跡そのままに再現することも大事だがそれよりも絵具の構造はどうなっているのか、絵を重層的に考えた時に下層の色がどう影響していくかなど様々だがそこから得られる情報を感覚的にでも得られれば良いのではと思う。

 今回も前回と同様に水彩紙ホワイトワトソン紙を使用している。
 まず水彩紙にザックリと形と暗部を描いていき、そこからフィキサチーフで固着させた後に事前に用意しておいた膠水と水彩絵の具を水で溶いたものを混ぜて画面上に塗布していく。
 膠は毎度ながら兎膠を使用している。大体ここまでで2時間程になる。ここから膠が乾くと次は白鉛筆で明部の描き出しを行い、そこからパステルで着色をしていった。完成までに大体だが7時間半から8時間程といったところだろう。
 今回も油絵の具を使用せずに模写を行ったがそれはちょっと最近パステルも良いなと思っている自分が居るのも確かだが今回の模写のサイズ感や時間帯を考慮した時に油彩よりもパステルの方が相性が良いと感じたからという理由もある。
 今回の模写で得られた情報を言葉で具現化するのは難しいが色の幅の効かせ方という点が非常に参考になったと感じた。

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