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心の優しさと頭の優しさ〜友達と小さいチームで仕事をすること〜

 自分は複数の企業や小規模のチームで、公私が混じり合うような働き方をすることが多いです。トレンドにもなっている、「気の合う友達と、好きなことを仕事に。」的な働き方ですが、数年やってみて、チーム作りで気づいたことがあります。今日はその事を書いてみます。

 こういうチームは、メンバーがそれぞれ友達でもあるので、バイブスが合う居心地のいいチームであることが多いです。だから、メンバー同士がとても優しい。体調不良の時には打ち合わせのリスケが2秒で決定されたり、メンバーの理解のために関係しそうな映画や美術展を見に行ったり、出されたアウトプットを肯定しあったり。充実したチーム生活が展開されます。

 しかし自分は、このような優しさ〜心の優しさと呼びましょう〜に加えて、頭の優しさとでも言うような、もう1つの優しさがあると思っています。そして、友達ベースのウェットな組織だからこそ、頭の優しさが作動せず、生産性が高まらないケースがあります。実際に自分が経験しています。自分が考える心の優しさと頭の優しさは以下のようなものです。

4つの心の優しさ

1.メンバーがやりたいことをやる
こだわりに歯止めをかけない。違和感があることは潔くNO。心が求めていることを大事にする。
2.不可侵領域の設定
お互いが信頼しきっているからこそ、お互いの領域は不可侵。極論アウトプットを確認せずとも、「あなたがそう思うならそうする。」というケースも。
3.一緒にいる時間の確保
打ち合わせはもちろん、ランチ、お茶、夕ご飯、飲み、映画、美術館、友達のイベント。物理的に時間を共にすることを尊ぶ。
4.メンバーの好きなことへの理解
メンバーの好きなアーティスト、作品、ブランド、本、世界観を理解する。積極的に買ってみる、見てみる。

5つの頭の優しさ

1.客観的なスキルセットの観察と把握
メンバーが何が得意で何が不得意か、観察して把握する。本人の認知の歪みを直し、自己認識の解像度を引き上げるべく真剣に取り組む。
2.キャリア全体の仮説と提案
本人のキャリアの理想系を推測し、ディスカッションする。チームを離れても活用できるポータブルなスキル、実績を付与できるようアレンジする。
3.率直なフィードバック
足りていないところ、不満があるところをストレートに伝える。友達でもある分一層言いづらいが、腹に力を入れて話す。
4.管掌範囲の相互マネジメント
KGI、KPIの逆算で最適な配置を意識する。一蓮托生、一心同体、同じ釜の飯を食った仲間という考え方と冷静に距離を取る。
5.金銭的な支援
一時的に金銭的に不安が有るときは、可能な範囲で支援する。ストレートに諭吉を渡す。

気の合う友達と、好きなことを仕事にして、結果を出す。

 ぶっちゃけ、1つ1つの項目のオリジナリティは高くないと思います。それなのに何故改めて書いているかというと、ミッションの達成とヘルシーなチームには心と頭の優しさが両方必要なのにも関わらず、友達と仕事をするという特性上、心の優しさに偏重してしまうケースがすごくたくさんあるからです。特にもったいないなと思うのは、だんだんとプロジェクトが停滞していき、それを庇うように心の優しさを発揮、さらにプロジェクトが停滞し、にっちもさっちもいかなくなって関係が根本から清算されてしまう、というパターンです。

 だからこそ、ウェットな友情にドライな「マネジメント」を持ち込むのだと考えず、心でも頭でも優しくチームメンバーに接していく、という態度がとても重要だと感じています。「気の合う友達と、好きなことを仕事に。」だけではなく、「気の合う友達と、好きなことを仕事にして、結果を出す。」を実践していきたいですよね。

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