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美意識で事業をするためにスキルが必要だ、という話

自分のライフワークは「美意識が競争資源となる事業運営の方法論の追求」です。それを実践すべくいろんな形や規模でアクションを実践し、今も模索しています。残念ながら確固たる方法論の確立にはまだ遠いんですが、最近分かったのは、真摯に事業に向き合うからこそ排除すべき落とし穴があるな、というもの。特に事業を立ち上げたい人やプランナー、プロデューサーさんには参考になるかなと思って書いてみます。

1、時代診断や耳障りのいいコンセプト、フレームワークの安易な援用

「これからは意味のビジネスの時代。」「サステナブルなアクションがブランドになる。」「CSVが大事。」「思想なき事業は生き残れない。」

こういう話や記事、SNSポストめちゃくちゃ多いです。なんとなく太鼓判を押された気分になる。しかし少し考えるとわかるように、「これからは意味のビジネスの時代になる」というマクロな経済動向が、自分の商材の実売額に与えるインパクトは死ぬほど低いです。事業の成長ドライバーになることはまずない。これやっかいなのが、自分がフォローしている成功者や有名人がSNSやイベントでそういう発信をしたり、自分自身が企画書書く時の前段の背景説明でスライドに落としたりするので、認知が歪んで自ら落とし穴に突っ込む可能性があることです。冷静に考えるのが吉です。

2、ビジネスモデル立案とビジネスの実践の混同

これもめっちゃ多いです。「これがコアバリューで、するとこういうメディア露出が生まれるからこういうユーザーが集まって、それは無料なんだけどそのコミュニティで生まれたナレッジを企業に販売する。」みたいな、複数のプレイヤーのうまい配置やシナリオを考えるという知的作業をビジネスの大部分だと錯覚してしまいがちです。こういうプラン考えるの楽しいし、一定以上の地頭がある人はほどよい負荷でワークアウトできるし、一緒にやった人からめっちゃ感謝されたりするので。※ちなみに自分はこういう変数が多い事業プランは成功確率が下がるので慎重になった方がいい派でもあります。
でもビジネスはパズルではないのでモデルを組んだからといって自動で人や金が集まるわけもなく、泥臭く毎日SNSを更新したり、ABテストしたり、メンバーにパワーがかかるお願いをしたり、数字を見て何を改善できるか考えて実行したり、ぶっちゃけ1つ1つは特別面白くもないタスクの膨大な集積がビジネスの実践の中身です。「ビジネスをしている」と感じる時、その感覚が自分のどのアクションから生まれているのか、注意を向けることが必要だと思います。

3、経済合理性の軽視

こだわりまくるが故に価格に対しての議論があまりなされない傾向があります。4Pって有名なフレームーワークがありますが、「こんなイケてるもの作ってさ(Product)、こういう場所でイベントやったりして(Place)、こんな人を巻きこんで(Promotion)!値段は3万8000円だけど、むしろ安いよね!(Price!?)」みたいな感じです。これもやっかいなのが、1が援用されたり、実現性の低い2がひねり出されたり、「尊いプロダクトだから」みたいな精神論になったりして、どれ位ロット増やせば下代を下げられるかみたいな経済合理性を重視した議論が行われづらい環境になりがちなことです。アートワークではなくビジネスとしてしっかりと向き合えているか、自問する必要があります。

終わりに

3つのバイアスについて書いてみました。もちろん、こんなことを考えなくても美意識のある事業を成功させている方はたくさんいます。あとビジネスといっても大小様々なので、小商いであれば強く考える必要ないと思う。それでも自分はこういう事を考えるのは、めちゃくちゃイケてて、エシカルな考えも実装されてて、しかもがっつり儲かってプレイヤーが金持ちになれる、そういうビジネスがたくさん生まれる世界にしたいからです。これからもビジネス実践を通して、美意識が競争資源となる事業運営の方法論を追求していきます。

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