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#90 天皇の料理版(2015)-ストイックすぎる名演技に何度も泣かされた名作

TVer 紹介文

大正・昭和時代の宮内省厨司長を務めた秋山徳蔵氏の人生を描いた、直木賞作家・杉森久英の「天皇の料理番」が原作。ひょんなことから食べたカツレツをきっかけに西洋料理のシェフになるという途方もない夢を抱いた片田舎の青年。その男がついには天皇の料理番を勤め上げるまでに成長するという、史実に基づいた究極の人間愛のドラマだ。主人公の秋山篤蔵を演じるのは、TBS連続ドラマ初主演となる佐藤健。「JIN」や「世界の中心で、愛をさけぶ」など、数々の感動作品を世に送り出してきた制作陣とタッグを組み、涙と笑いのグランドロマンに真っ正面から挑む!

演技の幅が広すぎる佐藤健

全12話を通して、「アホの篤やん」から「天皇の料理番」へと成長する姿を演じきった才能に乾杯。情動を抑えきれず、本能のまま、他者を混乱の渦に落とし込む青年期から、天皇に感謝される壮年期までを演じるなんて、26歳の俳優さんにはふつう無理でしょ。

ストイックすぎる鈴木亮平

いつものことながら、作り込みのレベルが凄すぎますね。このドラマでは、20キロの減量に耐え、開始当初から死相を漂わせ、迫りくる死期を匂わせる病人を演じられました。ふすま1枚隔てて篤蔵と話す姿や、篤蔵作のメニューを聞きながら涙を流すシーンには涙が止まりませんでした。

ストイックすぎる黒木華

パリ編だけ存在が消えますが、前半・後半では主役・佐藤健を食っちゃいましたね。第9話での「死」を匂わせるセリフに続き、第10話では、震災を生き抜いたあとの息子の参観日でうずくまり、第11話で遺影になるまでの家族との優しい時間には涙が止まりませんでした。

ストイックすぎる小林薫

厳しすぎる宇佐美料理長もいい味を出していましたね。篤蔵のパリ留学の背中を押すことになったカレーの試食の場面やマッカーサーに対して天皇の存在価値について語るシーンは格好良かったですね。

宇佐美さん、カッケー

心躍るオープニング、心に沁みるエンディング

オープニングでは『威風堂々』で視聴者の心に火を点け、エンディングでは『夢見る人(さだまさし)』で身体をアイシングしていく感じが良かったですね。「全12話で構成された民放による大河ドラマ」-こんな表現がぴったりなドラマでした。何度見ても泣けますね。


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