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#93 Nのために(2014)-後世のドラマに大きな影響を与えた極上ミステリー

TVer 紹介文

「告白」や「夜行観覧車」などの人気ベストセラー作家・湊かなえ原作。榮倉奈々主演。大学生の杉下希美(榮倉奈々)は、成瀬慎司(窪田正孝)、安藤望(賀来賢人)、西崎真人(小出恵介)と“ある計画”を立てたことで、セレブ夫妻の野口貴弘(徳井義実)と奈央子(小西真奈美)が殺害された現場に居合わせてしまう。その場で西崎が逮捕され、自供から有罪が確定し、懲役10年が言い渡される。10年後、この事件の判決に疑いを抱く元警察官・高野茂(三浦友和)は、事件の真相を追い始める。登場人物たちに共通する、イニシャル「N」。Nたちはどのように出会い、誰を愛し、どんな罪を犯したのか…。現在と過去を交錯させながら、事件の真実を明らかにしていく純愛ミステリー!

見事な要約

まさにその通り。第1話でいきなり事件の現場で始まり、現在と過去を行ったり来たりしながら、Nたちの哀しい事実が明かされ、徐々に現在に近づきつつ、最終話になって第1話の場面に戻り、謎が解け、最後に新たな旅立ちが待っている。「夜行観覧車」「リバース」を含め、原作・湊かなえ新井順子P、脚本・奥寺佐渡子、演出・塚原あゆ子、音楽・横山克の黄金カルテットによる名作のひとつです。組み合わせを替えたドラマとしては、「私定時で帰ります」「最愛」「下剋上球児」が有名です。

ドラマの見どころ

このドラマのあと、ご結婚された榮倉奈々賀来賢人の絡み、幼少の頃に受けた虐待で人生を狂わされる作家(小出恵介)、殺されても仕方がないほど精神の歪んだエリート(徳井義実)、事件の真実を執念深く追い続ける刑事(三浦友和)など、感情移入したくなるキャラぞろいなのですが、最も惹かれるポイントはそこではなく…

切な過ぎる前半の回想シーン

謎を解き明かすヒントが香川県・青景島での放火事件にあるのですが、事件に巻き込まれ、不幸な人生に抗う高校生カップル(榮倉奈々窪田正孝)の生き方が切な過ぎるのです。「主演ふたりによる高校時代の回想シーン」は最近のドラマの定番なのですが、結構イタイ演出が多い中、当時26歳のおふたりが高校の制服を着て自転車で疾走する姿には違和感がまったくないのですよ。この回想シーンなくして、このドラマの良さは語れません。

画像では伝わらない初々しさ

2000年代で最も切ないドラマ、間違いなし!

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