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『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』統率者カードEDH視点カード評価

本記事では、前回記事で書いた通常セット評価記事に続いて、統率者カードの評価を書いていきたいと思います。

1・カードリスト、リリースノート

・カードリスト

・リリースノート

https://media.wizards.com/2022/downloads/CLB_Release_Notes/JP_MTGCLB_ReleaseNotes_20220523.pdf


2・カード評価

☆白

・ディープ・ノームの地形術師

対戦相手がプレイ以外の方法で土地を出すたび、ライブラリーから平地を出す事の出来るクリーチャー。
「平地」は基本土地に限定されていないので、《Tundra》なども出せます。

EDHにおいてプレイ以外で土地が出る状況は、基本的にライブラリーサーチを挟むフェッチランドや《耕作》系統に限られるでしょう。
そのため、『バルダーズ・ゲート』通常セットに収録されているサーチをトリガーとしてアドバンテージを得る《オグマの文書管理人》の下位互換となってしまっている印象が強いです。
マナが伸びるという利点もあるにはあるのですが、逆に言うとマナソース以外のアドバンテージには決してつながらず、誘発条件がより厳しくなっている事に見合ったメリットとは言えません。

EDHにありがちな『強くて似たカードを両方入れる』という使い道がありそうに見えなくもないですが、自分としては《地形術師》がそれだけの強さを持っているとは思えないため、個人的には評価しかねるカードです。


☆青

・氏族の職人

2マナ支払いアーティファクトを生け贄に捧げる事で、サイズアップとドローを与えてくれる背景エンチャント。
全てのアーティファクトが概ね手がかり相当になる換算ですね。

起動の2マナは少し重いですがマナ総量は2と軽く、アーティファクト・トークンを量産できるデッキでは中々良さげなアドバンテージ能力です。
《練達飛行機械職人、サイ》《鋭い目の航海士、マルコム》辺りなら、持て余したアーティファクトの消費先として考慮に値するかもしれません。

《息詰まる徴税》なんかと並べても、マナと手札の自由度が高くなって良さそうですね。


・アストラル・ドラゴン

戦場に出た時、クリーチャーでないパーマネントのコピー(ただし、加えて3/3ドラゴンになる)を2つ生成する能力を持つドラゴン。
8マナと非常に重たいですが、奇妙かつ強力なコンボが色々と出来そうな怪しげな能力です。

現在考案されている所で一番派手なコンボとなると、《あまたの舞い》でしょうか?
《あまたの舞い》をコピーすれば、土地でないパーマネントを際限なく増やし続ける事が出来ます。

また、《ネクロマンシー》+墓地に《クローン》系が揃っていればループコンボが成立します。詳細は以下を参照。

《アストラル・ドラゴン》のETBで《ネクロマンシー》を対象にします。《ネクロマンシー》ドラゴントークンが2体生成されます。

《アストラル・ドラゴン》によって生成される3/3ドラゴン《ネクロマンシー》はオーラとしてクリーチャーに付く事が出来ないため、優先権を得た時点で状況起因処理で墓地に置かれます。

《ネクロマンシー》のETBで釣り上げた《クローン》(《アストラル・ドラゴン》をコピー)は《ネクロマンシー》が戦場を離れた時の誘発型能力で生け贄に捧げられますが、《ドラゴン》のETBは誘発するため、再び《ネクロマンシー》トークンを生成する事が出来ます。

上記のループでは《ネクロマンシー》トークンが2つ生成されるため、毎回リアニメイト先が常に1つ余分にある状態です。
ダメージを誘発するようなETBやPIG能力を持ったクリーチャーを加えればフィニッシュまで狙う事が出来ます。

《生き埋め》+《ネクロマンシー》の2枚で成立するので、まずまず優秀なコンボと言えるでしょう。
なお、《動く死体》のようなその他の類似リアニメイトカードだと、最初からオーラであるために上記コンボが成立しないので注意が必要です。



・闇市の人脈

自ターンメインフェイズ開始時に、ライフを支払う事でさまざまなアドバンテージを得る事の出来るカード。
得られるものは、1ライフで宝物、2ライフで1ドロー、3ライフで3/2多相トークン、となっています。

EDHだと、宝物とドローがメインとなりそうです。
都合3ライフで《水蓮の花びら》+1ドローの2枚分のアドバンテージと考えると、《森の知恵》が近い効果と呼べるでしょうか?
支払うライフは《森の知恵》よりずっと少ないので継続的にアドバンテージ得る事が期待出来ますが、3マナという地味な重さと設置から1ターン回さなければならないタイムラグのため、早期決着を狙うデッキには向いていない印象です。

これらデメリットが重く響くため加速している現在のcEDH環境には追いつけなさそうですが、一方でもう少し低いレベル帯だと上述した弱みよりも強みが勝るので、そういった環境だと活躍が期待出来そうですね。


☆赤

特になし。


☆緑

・大口の門のダーナン

手に入るカードはクリーチャー限定ながら、攻撃するたびに《衝動》的なアドバンテージを得る事が出来る背景選択レジェンド。
能力で追放したカードは不抜を持つため、通常のEDHであれば3マナ軽く唱える事が出来ます。

4マナは気持ち重めですが、アドバンテージ能力もコスト軽減能力もかなり優秀と言えます。
本人のスペックは高めなのですが、どうしても背景というシステムが心許ないので強ジェネラルとは言い切れないのが惜しい所です。


☆多色

特になし。


☆アーティファクト

特になし。


☆土地

新規カードなし。


3・まとめ

なんだかんだと、統率者デッキの方も寂しい感じのカード紹介になってしまいました。(特に後半)

面白そうな効果のカードも複数ありましたし、通常セットと比べれば全体的にパワーは高めだとは思うのですが、期待の新カードとして紹介するにはもう一声感のあるカードが多かった印象です。

達成難易度の高いパーティー推し、どうしても対戦相手依存を避けられない使嗾推しが強めだった事も、システム的に強カードが出にくかった要因であったかと思われます。
加えて目玉である背景選択レジェンドもシステム的に向かい風感ありますし。せめて背景選択か背景を2色にして固有色3色に出来ればもう少し違ったかもしれないのですが。


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