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Clip Studio Paintで課題の作品が消えた恐怖の巻

いつものように京都芸術大学イラストレーションコースの課題に勤しんでいた時のこと。
科目は「世界観表現・コンセプトアート」で2年次の肝みたいな科目である。
まだイラストを描くことに慣れたわけでもないし、画力が上がったわけでもないが、自分で時代や場所、状況を決めて自由にイメージボードを描くことができるという点では魅力的な課題だ。

どんな風にしようかと資料を探しているうちに構想(妄想)は膨らみ、イメージはこれだ!と思いついたのがあのジェームズキャメロンの「AVATAR」!
ファンタジーな世界観の方が何でもありで描きやすい気がしたのと、2が昨年公開されていて、そのストーリーがどうも海の中らしいというので早速Amazon videoで観てみた。

アバターの親子が敵に追われて住処を離れ、助けを求めた先が海の部族。アバターのお尻にある尻尾身体の色も青じゃなくエメラルドグリーンぽい。ふむふむ。
クリーチャーはこれを参考にして、脚を描くのは苦手だから下半身は魚にしてしまおう。要するに人魚、半魚人だな。

環境破壊のために海中でしか暮らせなくなった人間の身体は半魚人に進化?したことにしよう。荒唐無稽な設定でも絵になればなんとかなる。
そうやって何重ものレイヤーを駆使して海の中の絵を描いていき、一週間くらい経った頃、、あとは微調整と少し足すものがあるか?くらいの出来の状態で、わたしはClip Studio Paintで保存したデータをClip Studio の作品管理画面で見ていた。

データ名は違うが前に保存した同じ画像があり、たぶん途中で保存した古いデータで紛らわしいからこれ削除しようかなと思ったその時!一瞬の出来事でよく覚えていないのだが、「あ!」と気づいたときには、その課題の新旧2つともが消えてしまったのである。
最初は信じられなかったので「え?」くらいで、しかも普通パソコンなどでデータを消去しても、ワンクッション、ゴミ箱などにあって復旧できるはずなので、そんなに慌てなかった。
だが、わたしはiPadを使用していて、iPadにはゴミ箱はない。どこを探してもないことに気づいた時、さすがに血の気が引いてきた。

すぐにClip Studio Paintの問い合わせにメールした。【緊急事態】と書いて。
Help me !! と書きたかったくらい。
ここは京都芸術大学の問い合わせより遥か早く返信をくれるので、いつもお世話になっているのだが、この時きた返信は「悲報」以外の何ものでもなかった。

・iPadの[ファイル]アプリ→[このiPad内]の各フォルダ内(Clip Studioフォルダ含む)
・iPadの[ファイル]アプリ→[iCroud Drive]フォルダ内
・iPadの[ファイル]アプリ→[最近削除した項目]フォルダ内

・CLIP STUDIOのクラウドサービスを利用していたらそのバックアップの中

この中にない場合は
「大変心苦しい限りではございますが、復元等の手段がございません。
お力になれず、申し訳ございません。」

あ。。。。え。。。(言葉が出ない)

「なお、Clip Studio Paintでは、作品ファイルをClip Studio のクラウド上に同期することで、万が一の場合に備えることが可能です。
クラウド機能の利用方法については以下のページでも詳細をご案内しておりますので、お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。」

■作品をクラウドにバックアップする
https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/886

ちなみに
「 CLIP STUDIO PAINT for iPadでは、
iPadの[ファイル]アプリ→[このiPad内]→[Clip Studio]フォルダ内に保存されている作品ファイルのファイル名を紐づけて、
CLIP STUDIO画面[作品管理]→[アプリ内]画面に表示しております。

そのため、CLIP STUDIO画面[作品管理]一覧→[アプリ内]タブにて表示されている作品を削除しますと、ご利用のiPad端末から作品データが完全削除の動作となるため、[ファイル]アプリ内からも完全削除される動作となります。

このことから、CLIP STUDIO画面[作品管理]一覧→[アプリ内]タブから作品を削除しますと、[ファイル]アプリ→[最近削除した項目]フォルダ内には格納されず、端末内から完全に削除されます。」
なんだそうで。

しかし何とも解せないのは、2つのデータがいきなり消えたこと。普通、「削除」を押したとしても念押しのメッセージは出るんじゃないのか?

⇒回答
「 CLIP STUDIOを起動いただき、[作品管理]一覧→[アプリ内]タブより作品データの削除を行いますと、以下のメッセージが表示されます。
 ========================
 「選択した〇件の項目を端末から完全に削除します。この操作は取り消せません。よろしいですか?」

削除ボタンを押したかどうか、あまりにも突然で正直覚えてないのだが、これだけは誓って言える。「メッセージは出なかった」!!

出たらさすがに気づくし、確認するはずである。だが、Clip Studio Paint側にそう言ってみても、もはや状況が削除を物語っており、案の定冷徹な厳しい現実が返ってきただけだった。


この一週間以上かけて描いたあの美しい海中の楽園、、海藻とか魚の群れとか、エラい大変だったな。。。
できたらあの世界にあたしも入って二度と課題を出さなくていい海中で暮らしたい。

暑さもあってプールからあがった子供のように、耳がまだ水の中にいるみたいにうすぼんやりとしていたら、はっ!とあることに気づいた。

Clip Studio Paintの編集データは、「保存」を押すたびにClip Studio 内に保存されるが、わたしは時々「別名保存」でpngで保存し、Macに移しておくことがある。途中で画像を大きくしてよくよく見るためである。

祈るようにMacの中を探したら、消えた編集データのpngがあった!!おお!神様、ありがとう、今までよく頑張ったからと褒めてくださったんですね。。涙。
ただし今までのレイヤー分けのデータではないからその部分のみの修正はできないが、pngをまたClip Studio Paintに読み込んだら加筆はできる状態だ。

しかし、本当にビビった。ここまで描き込んで、全て失くしていたら一から描き直す気力なんかない。暑さボケしてる場合じゃない。Clip Studio Paintのクラウド上に途中の作品をアップするように設定し、(これ、Clip Studio Paintを閉じると自動的にアップされるわけではなく作品管理がある「Clip Studio 」の方を開いて閉じないと保存されないことに注意)時々MACにも保存しておこう、、と固く誓ったのであった。

かくして無事、課題を提出することができ、酷暑の夏は過ぎゆくのであった。


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