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四季と土用

四季の変化が起きるわけ

地球は1年かけて、太陽の周りを1周する公転運動をしていて、
地球自身も1日1回回転する自転運動をしています。

自転軸の向きは、地球の公転面 (黄道面) に対して垂直ではなく、約23.4°傾いているので、地球が太陽の周りを公転すると、順に以下のようになります。
・北極側が太陽を向く時期=北半球の夏=南半球の冬
・南極側が太陽を向く時期=南半球の夏=北半球の冬
・自転軸が太陽に垂直な時期(太陽は赤道上にくる)=春と秋
このように地球の公転に伴って夏→秋→冬→春→夏という季節が繰り返すことになります。
北半球と南半球では季節が逆になることもここからわかります。

地球の公転と自転と四季の変化

国立天文台 曆Wikiより https://tinyurl.com/2b878b98

曆の上の四季

いつからいつまでが春なのか、絶対的な定義は存在しません。
それぞれの場面で使いやすい分類が用いられています。

気象学的区分には3~5月が春、6~8月が夏、9~11月が空き、12~2月が冬。

伝統的な太陰太陽暦の暦月区分では、
正月~三月が春、四月~六月が夏、七月~九月が秋、十月~十二月が冬。

天文学的区分では、
春分~夏至(黄経0~90度)が春、夏至~秋分(黄経90~180度)が夏、
秋分~冬至(黄経180~270度)が秋、冬至~春分(黄経270~0度)が冬。

伝統的な太陰太陽暦の節月(二十四節気を基準にした月)区分では、
立春~立夏直前(黄経315~45度直前)が春、
立夏~立秋直前(黄経45~135度直前)が夏、
立秋~立冬直前(黄経135~225度直前)が秋、
立冬~立春直前(黄経225~315度直前)が冬。

※黄経とは.…
天球上における太陽の見掛け上の通り道(大円)を基準とする座標系で、春分点を0度として一周360度まで数えます。
夏至点は黄経90度、秋分点は黄経180度、冬至点は黄経270度となります。


春夏秋冬と土用

土用は、伝統的な四季区分で季節の移行期です。
立春、立夏、立秋、立冬の、直前約18日間にあたり、最終日は節分です。(各四立の直前までの黄経18度分ずつとなります。)

古代中国では、5つの元素=木、火、土、金、水が、万物を生じ、万象を変化させると考えられ、それらが象徴する気やその働き、関係性で物事をとらえる五行説は陰陽説と合わさりながら、見方考え方の基調をなしています。

四季では、春は木、夏は火、秋は金、冬は水となり、移行期は土にあたります。さらに四方を当てはめると、春は東、夏は南、秋は西、冬は北となり、土用は中央部となります。

四季から土用の期間を除いた期間と、4つの土用をあわせた期間は同じになり。1年間を五行に五等分したことになります。

春 /木 幹枝を伸ばす木のようにしなやかに上へ外へ伸びる性質
夏 /火 燃え上がる炎のように明るく熱を生じ上昇する性質
秋 /金 時間をかけて収斂凝固する金属のように変化し形作る性質
冬 /水 清涼な水のように降り、流れ、清め、潤す性質
土用/土 万物を生み出す土のように、受け入れ、養い育てる性質

五行で見た四季と土用と養生@地球暦

四季と土用と養生@地球暦 (C)DragonMama

土用

土用の間は、土の気が盛んになるとして、穴を掘ったり、土を動かすような作業や殺生は忌まれます。ただし、土用に入る前に着工して土用中も作業を続けることは差し支えないとか、作業をしても土用の障りがないとされる「間日(まび)」が設定されて、実際の生活に支障が生じないようにされています。

土用の養生食

土用と言うと、「夏の土用の丑の日のウナギ」を食べる習慣が有名ですが、
江戸時代に、発明家平賀源内さんが、夏に売り上げが落ちるウナギ屋さんに相談されて、「ウ」の付くウナギを丑の日に買ってもらうために「本日、丑の日」と広告したことからなのだとか....。ウナギの旬は、脂がのっている初秋~冬ですものね。これで大ヒットするのが江戸っ子っぽいですねー。
今となっては、夏の丑の日の行事食としてウナギを食べるけど、冬は食べないなーっていう人もいるかもー?(笑)

季節の変わり目の食養生として、季節の体を整えるために、栄養価が高い、入手しやすいものが取り入れられています。

季節ごとに以下のように言われるものもありますから、
面白がって美味しいものを探して見るのも楽しいですね。
身体によいと思って食べるだけでも体に良い効果がありそうです。(笑)

・春土用 「戌」の日に、「い」のつく食べもの、白い食べもの
・夏土用 「丑」の日に、「う」のつく食べもの、黒い食べもの
・秋土用 「辰」の日に、「た」のつく食べもの、青(緑)の食べもの
・冬土用の「未」の日に、「ひ」のつく食べもの、赤い食べもの


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