見出し画像

穀雨(こくう)Grain Shower

穀雨@曆
「穀雨」は、あらゆる穀物を潤し成長させる、恵の雨が降る時期。
太陽を基準にする二十四節気で6つ目の節気。
天球上の太陽の通り道である太陽黄経0度「春分点」から30度過ぎました。
次はもう「立夏」ですから春もそろそろおしまいです。
 
気温も地面も温まり、花が咲き、昆虫たちが花粉を運び、鳥や動物たちも恋や出産の季節。
生命をつないでいくための気がみなぎる時期です。
 
人も過ごしやすく活動的になってきます。
新年度の新しい取り組みにも慣れてきて、したいこと、すべきことが具体的に本格的に進んでくる一方で、
雨の日も多く疲れが出やすい時でもあります。

八十八夜
立春を1日目とすると第88番目の日。
穀雨の終わり頃にあたります。
種まきや田植え、茶摘みなど春の農作業を行うにも、そろそろ霜の心配がいらなくなる目安になっていました。
末広がりの「八」はラッキーナンバーで、さらに「八」「十」「八」の3時を組み合わせると「米」という字になることからも、
農家では、ゲン担ぎとしてもこの日を大事にしていたのかもしれませんね。

「夏も近づく八十八夜~♪」という手遊び歌がありますが、このタイトルは「茶摘み」と言います。
八十八のめでたさからか、八十八夜に積んだお茶は上等だとされ、この日にお茶を飲むと長生きするとも言われています。

新茶の若葉の清々しいさわやかな香りを楽しむには…
程よい渋みを味わうには高めの80度くらいのお湯で30秒抽出、うまみや甘味を味わうには低めの70度くらいのお湯で温度でじっくり40秒抽出が目安です。最後の1滴まで注ぎ切ります。二煎目は、すでに茶葉が開いているので抽出時間は半分くらいで大丈夫です。
茶器も茶葉もゆっくり丁寧に扱うと、さらに美味しくいただけますよー。
ぜひともお試しあれ―!
それでも難しい!失敗したくない―!という方へのおすすめは、お湯でなく水を入れて3時間抽出。時間に任せてしまいましょう。(笑)

穀雨@七十二侯
初侯 | 第16候 葭始生(よしはじめてしょうず)
…葦が芽を吹き始める時期
葦は川や湖沼などの水辺に群生する、イネ科ヨシ属の多年草。
本来の呼び名「アシ」は「悪し」に通じるため、「ヨシ」と言い換えられたそう。一方で、お金を意味する「おあし」に通じるから「アシ」という地方もあります。おめでたいもの好きな日本らしい由来です。
折れることなく、上へ上へと1.5m~3mにも伸びる様はどちらの意味でもおめでたい感じですね。
 
 
次侯 | 第17候 霜止出苗(しもやんでなえいづる)
…霜が終わり稲の苗が生長する時期
あたたかい日が増え、夜間にも冷え込むことがなくなって、霜が降りてこなくなり、
種もみが芽吹いて、すくすくと成長していきます。
青空の下に田植えられた若緑の列をみると、生き生きとした活力を感じて、
お米を食べていれば大丈夫という気にもなってきます。
 
 
末侯 | 第18候 牡丹華(ぼたんはなさく)…牡丹の花が咲く時期
日差しが強くなってくると、春ももうおしまい。
華やかなフィナーレを飾るように大輪の花を咲かすのが牡丹です。
「丹」には不老不死をもたらす仙薬の意味もあるそうで、
中国から薬用として伝わり、平安時代には、宮廷や寺院で鑑賞用として栽培されていたそうです。
中国では、牡丹は百花の王。百獣の王である獅子とは、おなじみの絢爛豪華な組み合わせです。
これには由来があって、実は獅子が唯一恐れるのは体に寄生する害虫。
牡丹の花に溜まる夜露はこの害虫を退治してくれるため、獅子は牡丹の下で安心して休むそう。
ゴージャスなだけでなく不老長寿の意味からも縁起のいい花ですから、ぜひあやかりたいものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?