見出し画像

わんとワンの物語 13

すべてはこの地アマンディから始まる。アマミコの創った紺碧の空と海があり、そしてぼくの創った真っ赤なティダとティキがある。ふたりは南下しながらその次に大地と営みを創ることにした。

緑をイメージする。高い丘にたくさんの緑を配置し、小さなイノチの宿るだろうガジュマルの樹とディゴの樹と、イノチを繋ぐだろう蘇鉄とバシャを置く。こんもりと繁ったこの森を下ったところがミャーだ。やがて産まれ落ちる新しい生命がここにアシャゲトネヤを造るだろう。アシャゲで祈りトネヤで踊り、生命はさらに海に下りていく。森からミャーを通り海まで下りる道、それがカミミチになる。

カミミチから海に下りた生命はあの大きな岩を伝ってネリヤカナヤへと帰ってゆく。


ぼくとアマミコはこの地に8個のカミヤマと8個のミャーを創った。そしてこの地を笠利 竜郷と名づけた。傍らの犬から産まれた5匹の子犬は「天孫子」「按司」「民」「君々」「祝女」となり、それぞれに散っていった。

ぼくたちは再びアマンディの丘に戻り、笠利と竜郷を見る。そして営みをイメージする。赤いティダに祈り青い空に祈り赤いティキに祈り青い海に祈り、緑の森に祈る。やがて「天孫子」からは国が始まり「按司」からは社会が始まり「民」からは生活が始まり「君々」からは子供が生まれ「祝女」はノロとなり祈りが生まれるだろう。


ぼくとアマミコと母になった犬はさらに南下する。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?