ブイジュ牧師の墓 @32
1903年、フランスからひとりの宣教師が奄美大島に上陸した。
瀬留の教会を中心に司牧活動をするかたわら、彼は集落と深く繋がり人々の精神的支柱となっていく。でもその間、彼の体を少しづつ病魔が蝕んでいた。心配した母は帰国を促すが、「わたしは召命に忠実であるために、すべてを犠牲にしました。今となってうらぎるわけにはいきません。神のものとして、主の摂理にすべてを委ねました。」という返事を残し、母国に帰ることなく奄美に留まった。
彼の名はブイジュ師。 1922年、ブイジュ師は奄美大島の土に還った。彼の眠る瀬留の小高い丘からは龍郷湾が望める。