伊須の水源地 @26
1771年(明和8年)、1艘のオランダ船が伊須の浜に漂着した。上陸したオランダ人たちは山から切りとった木で浜に小屋を建てて住みつき、地元の人々が近づくと発砲して威嚇した。そして、一月後に彼らは伊須から出ていった。
同じ頃、ハンガリーの革命家ベニョフスキーは捕虜となったロシアから脱出して伊須に流れついた。「はんべん五郎」になった彼は地元の人々に歓迎されもてなされた。本名は「フォン・ベニョフスキー」だが、発音やスペルの間違いから、フォン・ベンゴウスキー → フォンベンゴロウ → ハンベンゴロウ → はんべん五郎、となったそうだ(ほんとかい・・・)
伊須の背後には「タキヤマ」という見事な形の山がそびえている。この山からオランダ人たちは小屋を作るための木を刈ってきたのだろうか。山に入っていくと、探していた水源地はすぐに見つかった。切り立った山の斜面には水小屋があり、その横の岩に水が湧きでている。
伊須に馴染めなかったオランダ人も、すぐに歓迎されたはんべん五郎も、この湧水で喉を潤していたのだろう。
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