★読書愛好会(80)

父が若い頃、インターネットはありませんでした。FacebookもInstagramもない。みなさん、どうやって承認欲求を満たしていたのでしょう。

父いわく、まずはバンドだと。父は音楽仲間を集めて学校の文化祭などで演奏していた。一日だけ芸能人気分を味わうことができた。

父の高校ではテストの成績の上位者の名前が廊下に貼り出されたそうです。勉強ができる生徒はこのランキング表で承認欲求が満たされた。

そして新聞雑誌。エッセイ、川柳、俳句、短歌などを投稿する。

あるいは仲間たちと宴会。そこで何か面白いことを言って皆を笑わせる。大勢で飲んでそこでウケればそれなりに承認欲求が満たされたのです。だから大勢での宴会が好きな人はたくさんいるのです。

いまはblogあり、SNSあり、ですので誰でも簡単に、難無く承認欲求を満たすことができますね。

ところが僕は承認欲求がたいへん弱いのです。見知らぬ赤の他人に承認されたいと思わない。

Facebookは父や知り合いの投稿を読むだけ。blogもやってないし、Instagramはアカウントがあるだけで全く利用していない。

僕は本さえあれば幸せなんですね、きっと。ネットで誰かと繋がりたい意欲がとても少ない。たぶん部長との交際ですべてが満たされているんだと思います。これ以上、友達を増やしたいとは全く思わない。

父は僕が作った弁当の写真をFacebookに投稿して、イイネを500とか1000個もらいます。しかも、そのうちの八割の人とは実際に会ったことがあるというので驚きます。

父の場合、Facebookは仕事に役立っているそうです。Messengerを使ってお客さんとやり取りするのでお客さんのメールアドレスは忘れてしまったとのこと。

取引先の人から「弁当の投稿、読んでますよ。息子さん、素晴らしいですね!」と褒められることも度々だ、と。間接的ではあるけれど父の仕事に少しだけ貢献できたような気がしてうれしかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?