fujiko

詩と短歌。詠う人妻。

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最近の記事

短歌五首【女心】

車道側歩いてくれてありがとう夜は続くよBARまでの道 相談に解答じゃなく相槌を泣いたらそこのティッシュを二枚 どうしても今夜会いたい許してね私じゃないの満月のせい 戸惑ってくれるくらいが丁度いい分かり過ぎてもなんか嫌なの 「大丈夫」あなたを見ずに言う時は「本当は?」って聞いてください

    • 短歌五首【僕の彼女】

      落ち込んだ僕に黙って頷いたジャイアントコーン差し出しながら 好きなんて甘い言葉はないけれど寝落ちに毛布君はやさしい どちらかと言えばサッパリした君の愛とおにぎりでかくて丸い 不意打ちの濡れ髪なんて反則で締めたばかりのネクタイ外す 全方位シャイで媚びない君がいい女の顔は僕の前だけ

      • 短歌五首【告白】

        これまでの長い付き合いすっ飛ばし君を知りたい恋人として 好きだって言ったらなんて返すかな波打ち際でふざけてる君 友達の時になかった緊張で君を見つめるこれは恋だな 「話しって何?」から五分経っている氷の溶けたアイスコーヒー キスしたり寝起きの君を見る権利僕に下さい大事にします

        • 短歌五首【ドラマ「東京タワー」】

          最後だと微笑む君の唇にそっとキスして始まる二人 ビルの森刹那の愛に仰ぎ見る淋しい顔の東京タワー 叶わない恋でも君を奪いたい出会ってしまう運命ならば 「あなたには未来がある」と言う女の隣に僕はいつも居なくて 抱き合って君の全てを欲しがって一人になった夏の代償

        短歌五首【女心】

          短歌五首【Number_i「Blow Your Cover」】

          薄月夜ぼやけた愛の輪郭を確かめていくkissの刻印 溢れだす「君さえいれば」飲みこんで溶け合う体求める零時 頂戴と耳元近く囁いて僕の理性をねじ伏せる君 人魚姫声を失くしたSeabed涙の訳を聞けない夜に 「またね」とは言わない君を抱きしめた二人を別つ朝焼けの街

          短歌五首【Number_i「Blow Your Cover」】

          短歌五首【曖昧な関係】

          短めの言葉で済ますレスポンス雑に置かれた携帯電話 完全に心と身体離されて今夜も君と繋がる矛盾 君が知る背中のほくろ胸のあざ君が知らない昼間の私 「帰るわ」と君が言うのを待っている体温以外いらない夜は 面倒な駆け引き全部ない代わり好きになったら試合終了

          短歌五首【曖昧な関係】

          短歌五首【春の別れ】

          「待っとって」うつむく君の横顔を三分後には電車がさらう 君の声綿菓子雲に消えていく夢と別れと蓮華のティアラ ポッケから不意に出てきたぬくもりは君が最後に使った軍手 東京は君にやさしい街ですかわたしは今日も田んぼに居ます 菜の花も桜も細い畦道も君の後ろを歩いた四月

          短歌五首【春の別れ】

          短歌五首【道ならぬ恋】

          煮込んだり花を生けたりしないけどあなたが欲しい愛だけあげる 帰る場所間違えたまま笑うのねダチョウは家族を忘れるらしい 物憂げな「じゃあ」も今更いらないしもっと乾いた愛を下さい 寒空に最後の言葉貼りつけた星になったら剥がしに行くわ 渇愛と書き添えられた閻魔帳釜で煮られて喰われるみたい

          短歌五首【道ならぬ恋】

          【詩】またね。

          帰省した家族を庭先で見送る 頼もしくなった息子夫婦と 小さな手を振る孫 遊びに来た友を駅で見送る 長話したはずなのに電車に乗るまで ふざけ合ってる 突然倒れたあの人を病院で見送る 冷たくなるまで体をさすって 頭を撫でる 見送ればいつも 少しの寂しさと少しの安堵 晴れた空が みんなを繋げる 元気で居るかな どうしてるかな ちゃんと空へ還れたかな 目に見えないものほど 伝わるよね またね。の後の青い空が好き またね。の後の澄んだ空気が好き

          【詩】またね。

          【詩】雨に想う

          雨降りに傘は持たない 濡れたくて 穢れも業も自我さえも 洗い流して 全部全部 ただの命になって 軽やかに生きなおそう どうせなら目も開けられないくらい どしゃぶりがいいね

          【詩】雨に想う

          【詩】冬眠

          体が動かなくても心は動くんだね 無にはなれないから生きてるみたい むずかしい事はもう考えられない 美味しかったものが喉を通らなくて 今までできていた事がろくにできなくて 情けないね 少しずつでいいって言い聞かせても ゆっくりでいいって言い聞かせても もどかしいね あばらが浮き出た体をスウェットで隠して 青白い顔にパックする 心配顔のあなたに笑って「おかえり」 ほらいつもの私でしょう 大丈夫 春まで眠ろう 大丈夫 春まで眠ろう

          【詩】冬眠

          【短歌】 絶望は 左脳が生んだ絵空事 今日も生きてるそれだけでいい

          【短歌】 絶望は 左脳が生んだ絵空事 今日も生きてるそれだけでいい

          【短歌】 さよならに 説明なんていらないわ 夜通し灯す痩せたキャンドル

          【短歌】 さよならに 説明なんていらないわ 夜通し灯す痩せたキャンドル

          【短歌】 空近く 掴めそうだねオリオン座 ひと飲みしたら輝けるかな

          【短歌】 空近く 掴めそうだねオリオン座 ひと飲みしたら輝けるかな

          【短歌】 とりあえず なめこおろしを突き出しに 天ぷらを待つ夫とビール

          【短歌】 とりあえず なめこおろしを突き出しに 天ぷらを待つ夫とビール

          【短歌】 あと二枚 めくれば終わるカレンダー 明日が来ない時のいたずら

          【短歌】 あと二枚 めくれば終わるカレンダー 明日が来ない時のいたずら