ニューヨークで成功する飲食店と失敗する飲食店の違い
ニューヨークではますます日本食のお店が増えてきている。
自分はJAPANFesという食フェスを開催してるので痛感しているが、
日本食の影響力はものすごい。
ざっくり歴史を辿れば
寿司ブームから始まり、
酒、ラーメンブームが起こり、
最近では、OMAKASE、の店が増え、
これから、KAISEKI、が来るんじゃないかという勢いだ。
2010年にはニューヨーク州は1500件くらいだった日本食レストランが、
2020年には2000件を超えたと言われている。(JETRO資料によると)
そんな右上がりに見える状況だが、
出店者数が急増してる分、
潰れてるお店も増えているのが実情だ。
では
儲かるお店と潰れるお店
その違いは何なのか。
成功してるお店の共通点を見つけることは難しい。
ただ失敗してるお店の共通点は明快だ。
それは、
柔軟性の欠如だ。
日本のやり方をそのまま持ってきてもうまくいかない。
それが結論だ。
立ち食いステーキはアメリカの文化には馴染まず、
ラーメン専門店は多様な人がいるニューヨークでは成り立たなかった。
日本の本物を伝えたいという意義はとても大事だと思うが、
理解してもらうには時間がかかるのが歴史の教えである。
今でこそ、OMAKASE、はニューヨークでは認知されてるが、
元々は生魚を使う寿司なんて敬遠されてる時期があった、
その後カリフォルニアロールなどの現地に合わせた
柔軟な寿司料理が生まれ、徐々に馴染み時を経て今に至る。
ラーメンも一風堂さんが十数年前にオープンして徐々にブームになり、
最近になってやっとつけ麺や混ぜ蕎麦が受けいられるようになってきた。
新しいものは時間がかかる。
そして
新しいものはそのまま持ってきてもまず理解されない。
最初の挑戦者はそれを理解し、
郷に入れば郷に従う精神で行かないといけない。
ニューヨークの一風堂さんを見てほしい。
ラーメンだけじゃなくお好み焼きやたこ焼きまで置いてある。
店内にはBARがありおしゃれで明らかに日本人が思い描くラーメン屋ではない。
日本人思い描くラーメン店ではなく
ニューヨーカーが思い描くレストランを作ったから
ニューヨークで受け入れたと言える。
ラーメンだけにこだわることなく、
多様な人種、宗教が入り混ざるニューヨーカーに合わせた
メニューを作ったから生き残れたんだろう。
言うは易しで行うは難し。
僕も自社で経営するラーメン店では、
サバ定食もあればたこ焼きもある。
これからは寿司やフォーなども出して行こうと考えている。
失敗ばかりを繰り返しながら、
常に新しい仕掛けを試している。
来月はHEMP RAMENという
日本では到底受け入れられないだろうラーメンを
出してみようと企てている。
柔軟であるということは
自分のこだわりを妥協しろと言うことではない。
今までの常識と新しい常識を組み合わせる、
創作への飽くなき努力だ。
ニューヨークで成功する飲食店と失敗する飲食店の違いは何か。
それは
柔軟する努力
である。
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