見出し画像

260DAY -修学旅行2日目『震災体験』vol.2-

 東日本大震災遺構・伝承館は、震災当時の気仙沼向洋高等学校を前身とし、被災した当時の校内の惨状をそのまま残して展示することで震災についての記憶や警鐘を行う施設である。今回の修学旅行ではそこの見学をさせてもらった。

写真中央に移る学校が、現在の気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館となっている。広島の原爆爆発後の画像で、原爆ドームだけがぽつんと立っているものを見たことがあるが、この画像はそれを思い出させる。しかもこれは原爆のような人間の利害は関係なく、あくまでも自然が気まぐれで起こした、地球史における僅かな歪みに過ぎない。人間の矮小さを改めて感じる。
体育館の屋根は根こそぎはぎ取られ、僅かな壁だけが無惨にも残っていた。どこの学校にもある体育館。部活の場。学校の象徴。青春のたまり場。そうしたものは全て「理」の前には、たとえどんな希望や感情が内在しようとも、儚く弱く脆いものに過ぎないのだろう。
校章の隣に被災時の衝突痕が残っている。シンボルの隣に震災の遺恨が遺るというのは何とも皮肉めいていて、運命のいたずらというものを感じずにはいられなかった。あんな高所まで震災は襲ってくる。人間が自然に反して繁栄する。その間には何か矛盾のような意志のようなものを感じる。
今は高さ10mにも及ぶ防波堤によって海岸が護られている。しかし当時の津波ではこの程度の防波堤は軽々超えて行くという。100年に一度の災害は守れるかもしれないが1000年に一度の災害には守れない。自然の前に人間は無力という現実を、こうした景観で表現しているのだろうか。


 二日目は終わりです。

 自然は残酷だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?