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【実体験】機械設計者がお客様に工場で怒鳴られた経験

はじめまして!ドラフターと申します。

私は中小企業の機械メーカーで設計者として働いているアラサー男子です。本業のかたわら「機械設計者の働き方.com」というサイトも運営しています。

この記事では私がお客様の工場でメンテナンス会社の担当者に怒られた経験を綴っています。

今どき、怒鳴られる事が少ないので私は落ち込みましたがよくよく考えれば怒鳴られるような事はしていないと思っています。

自分の当時の悔しさも込めてこの記事を書きましたので共感頂けると嬉しいです。

機械定期点検での出来事

私は機械設計者として働いていますが、古い機械の点検作業も行っています。

今回は約20年前に工場へ納められた機械の点検作業でした。この工場は毎年点検作業を依頼してくれる優良顧客です。工場によってはメンテナンスを一切行わない会社もあります。そのくせ、壊れたらすぐに責任を押し付けてきます(笑)

私もこの工場には何回か行っていて、お客様の現場担当者とも顔なじみでした。

点検が始まり、点検表にもとづき作業を進めていきましたがある寸法が規定値より外れていました。その原因を調べていくと確信は持てませんでしたが、シャフトのねじれの可能性が高いと私は考えました。

お客様の工場での作業であったため、測定器具も持っておらず、ねじれの測定をする事が不可能でした。そのため私は試しに社内から持参していた新品のシャフトと既存のシャフトを交換しました。

交換し、機械の調整を行うと点検の規定値以内に収まりました。やはりシャフトが悪さをしていた可能性が高いと判断し、お客様の現場担当者に連絡し状況を説明しました。

私「シャフトを交換し、規定値に収まりました。元のシャフトに戻す事もできますがどうしましょう?ちなみにシャフトは1本2万円程度です」

現場担当者「分かりました。交換してもらったままで大丈夫です。点検後、シャフトの費用は請求して下さい」

このようなやり取りが点検1日目の終わりにありました。

メンテナンス会社担当者に怒鳴られた

作業2日目の朝、メンテナンス会社の担当者が現場に来ました。メンテナンス会社とはユーザー様の工場に常駐していて我々装置会社との間に入りお金のやり取りや書類のやり取りを一括して請け負っている会社です。

なぜこのような会社が存在するかというとエンドユーザーである工場が各装置メーカーと個別でお金のやり取り(口座管理)や書類のやり取りをするのが面倒だからというのが1番の理由です。


装置メーカーとメンテナンス会社、工場との関係図

現場にメンテナンス会社の担当者が来て、私に作業の進捗状況を聞いてきました。

メンテナンス会社「作業は順調?」
私「順調です!」

基本的に態度も口調も偉そうなのがメンテナンス会社の特徴です。もちろん人によりますが。

私が思うになぜ偉そうな態度を取るかというと自分達の存在意義をユーザーに見せつけるためだと私は思っています。いわゆるマウント取りです。

我々装置メーカーから見るとメンテナンス会社はただ口座管理をしているだけの人達です。恐らくユーザーもそう思っています。口座管理をしているだけでお金をもらってる会社。これがメンテナンス会社の今の実態だと思います。

この制度はすぐに廃止した方が良いと思っていますが今までの慣習から、大きな工場を中心に今でもメンテナンス会社を使っている工場は多いです。いづれはなくなり、装置メーカーとユーザーである工場が直接やり取りするようになると思っています。

話は逸れましたがメンテナンス会社の担当者に昨日の作業を報告した私ですが、シャフト交換をした事を伝え忘れている事に気付きました。

そのため、メンテナンス会社に昨日の経緯を説明しました。すると担当者の顔が強張り、私に向かって
「なんで部品を勝手に変えるの?誰の許可取ったの?それヤバいんじゃない」と言ってきました。

私「部品を勝手に変えてすみません。しかし元に戻す事もできますし、ユーザーさんにも確認をとりました。合意の上で部品を交換しました」

担当者「そうゆう問題じゃないんだよね。私達にちゃんと許可取ってくれないと困るんだよね」

私はイラッとしましたがこれ以上話しても無駄だと思い、「すみませんでした。以後気をつけます」と伝えました。

結局はシャフトも元には戻さず新品のまま作業を進める事になったので余計に私はイライラしました。

私の落ち度

メンテナンス会社担当者にはムカつきましたがもちろん悪いのは私です。

仕事の流れとしては私(装置メーカー)→メンテナンス会社→ユーザーなので、どんなやり取りをする時にも私とユーザーが直接してはいけません。特に部品交換等のお金が追加で発生する作業は絶対にメンテナンス会社を通さないといけません。

これをすっ飛ばしてユーザーさんと直接やり取りしてしまったのは私のミスです。

落ち度はあるが怒鳴る必要はあるの?

メンテナンス会社に何も相談せず部品を交換したのは私が悪い事です。しかし、それだけの事で私を現場で怒鳴り散らす必要はあるのでしょうか?

・部品の金額は数万円
・基準値から外れていたから交換した
・ユーザーには合意を得ていた
・結局は部品を交換した

こういった事を総合的に考えても怒鳴る必要はなかったんじゃないかと思います。怒られた事で私は完全にやる気を無くし、最低限の点検しかやりませんでした。いつもサービスで点検項目以外にもチェックをして、時間内でできる事があれば機械のメンテナンスをしていました。

私も人間なので、怒鳴る人達の為に仕事を頑張る気にはなれません。だから最低限やるべき事だけやって終わりました。

メンテナンス会社の必要性

メンテナンス会社が存在するのはユーザーが自分達でやるのは面倒な口座管理と書類管理をしてくれるからです。主な業務はこれなのに点検について口を出し、点検作業者の私の気分を落とし、点検作業の質を低下させるのは問題だと思います。点検の質が下がる事はユーザー様にとっても明らかに良くない事です。

誰も得しないのに自分の一時的な感情で行動したメンテナンス会社の担当者は良くないと思いますし、こういった担当者がいる会社は淘汰されていくと考えています。


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