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おばさんだけど、シャーマンです: 龍神と私の物語 第2章

第2章:母となって

私がお兄ちゃんを出産して、お兄ちゃんが3歳くらいの時かな。大学生のにーにと おばちゃん家族と一緒に奈良県の奥の方にある「天河神社」へドライブに行こうという話になったの。その頃、おばちゃん達はおじちゃんの転勤で大阪に住んでいたのよ。奈良県はおばあちゃんの故郷なのは知っているでしょ。でも、和歌山寄りの奥の方へは私達も行ったことがなかったの。滝があったり、周りの川もとても綺麗だと にーにが大学の友達から教えてもらったということで、みんなで川遊びがてら出かけることにしたの。

おばあちゃんの実家、大おじさんのお寺を出発して、山の中をくねくねと走っていったの。車の中では、おばちゃんやにーに、お兄ちゃん、あーちゃんといろんな話をしていた。途中、窓の外には美しい緑の山々が広がり、時折見える川の流れが涼しげで、自然の美しさに心が癒されるようだった。

やがて、綺麗な流れが見えてきて、「もう少しかなぁ」とおばちゃんと話していた時、突然、今話しているおばちゃんの声じゃなくて、もっと大きくて太い声が急に聞こえたの。「待っていた。ずっと待っていたぞ」と。その瞬間、目の前なのか頭の中なのか分からないけれど、大きな青い龍の顔がぶわぁっと現れたの。

その龍はとても威厳があり、その存在感に圧倒されたのよ。私はすごくびっくりしたけど、その龍の目に吸い込まれるような感じがしたの。すごく大きくて、本当は全部見えていないけれど、脳は全部見ている、そんな感じだった。龍の姿は一瞬で消えたけれど、その瞬間の驚きは忘れられないものだった。

その時ね、車の中で私だけがその体験をしていると気づいた時。何か大きな運命に引き寄せられているのだと感じたわ。この経験を誰に話すべきか迷ったけれど、家に帰ってきてから私のおかあさんに相談するのが一番だと思ったの。おばあちゃんはもう既に亡くなっていたし、家族の中で、私の特別な能力を理解してくれるのは私のお母さんだけだったから。

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