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「市販の高価な日焼け止めって効果あるんですか…?」 日焼けに関する16の質問に現役女医が回答します

美容皮膚科医の田中優子です。かれこれ30年近く女性の肌を診てきた知見をみなさんにお届けしようと、ツイッターのアカウントを開設して早1ヶ月が過ぎました。

乾燥肌や脂性肌、大人ニキビ、毛穴の開き……などなど、日々たくさんのお悩み相談をいただいています。特に最近増えている質問が、日焼けについてです。

「市販の高価な日焼け止めって効果あるんですか…?」といった一般的なご質問から、「飲む日焼け止めは効果がありますか?」など医学的な知見が求められる質問まで。夏の到来を目前に控え、みなさん日焼け対策への関心が高まっているようです。

そこで、質問箱に寄せられた質問と、ツイッターのリプライやDMに届いた合計16の質問にnoteで回答することにしました。日焼け対策に関する疑問が網羅的に解消できるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

日焼け対策に関する疑問についてお答えします

Q:日焼け止めはどのくらいの頻度で塗りなおせばよいでしょうか。通常時と汗をかくシチュエーションに分けておしえてください。
A:数常時は2〜3時間に1度、汗をかいたらその都度に塗り直す必要があります。
Q:日焼け止めは「顔用」と「体用」で分けるべきでしょうか?
A:顔も体も同じ日焼け止めで構いません。
Q:家の中にいても日焼け止めは塗ったほうがいいのか、それとも直接日差しが当たらないのであれば塗る必要がないのか教えてください。
A:室内でも日焼けはしますので、日焼けを避けたいのなら塗ってください。UVAは窓ガラスを通しますので、太陽の光の差すソファに座ってテレビなどを見ていると、しっかり日焼けしてしまいます。
Q:日焼け止めにはスプレー、ジェル、ミルクなど種類がありますが、どのタイプがオススメですか?
A:あえておすすめ順を挙げるならクリーム、ジェル、スプレーですが、自分の好みでよいと思います。ただスプレーは均等につけることは難しくムラがでます。ミルクは刺激が少なく敏感肌の方におすすめです。
Q:日傘やUVカットの衣服で完全に日除けをしていれば、日焼け止めは塗らなくても平気ですか?
A:光は上から来るものとは限りません。反射して浴びることもあるので、しっかし日焼け止めを塗ってください。
Q:昨年の日焼け止めがあまっているのですが、使用しても肌に問題ないでしょうか?開封してから時間がたつと、効果が薄くなりますか?
A:開封してなければ3年はよいとされています。しかし開封してあるのであれば、劣化している可能性がありますので、買い替えたほうが安心です。また日焼け止めは年々進化していますので、新しいほうが刺激も少なく効果も高いものです。
Q:日焼け止めは洗顔だけできちんと落ちますか?よく落とさないと肌が荒れるなどあれば、教えてください。
A:洗顔だけで、日焼け止めは落ちません。洗顔だけで落ちるような日焼け止めは、効果がないものだと思ってください。また、落とさないと肌に良くないのはメイク商品と同じです。毛穴をふさいでいますし、特に日焼け止めは石油系の界面活性剤を使用しているので取るべきです。落とさないとニキビや肌荒れ原因になります。
Q:飲む日焼け止めは効果がありますか?おすすめの市販薬があれば、教えてください。もしくは美容皮膚科を受診したほうがいいでしょうか?
A:飲む日焼け止めとは、抗酸化物質のことで、塗るタイプとの併用が基本です。飲んでいれば明らかに紫外線の害を防げます。また市販薬よりクリニックのサプリ(=飲む日焼け止め)のほうが内容的に信用できます。なぜなら、医師が内容を検討し自分も飲んでよいと思ったものしか販売しないからです。おすすめは「①ヘリオケア」「②サンプロテクト」です。
Q:市販の高価な日焼け止めは、高いだけの価値があるのでしょうか。もしおすすめがあれば教えて下さい。
A:高価な商品は、ブランドや宣伝費、香料などに材料費がかかっているケースが少なくありません。値段ではなく、内容で選ぶべきです。私のおすすめは「①ヘリオケア360 ミネラルトレランス」「 ②プラスリストアUVローション」です。
Q:医師目線で考える、日焼け対策の際の盲点(意外と耳の裏や頭頂部が焼ける…など)はありますか?
A:眼球が盲点です。目から入った紫外線は、それに対するメラニンを出す指令を脳に送りますので皮膚全体が黒くなります。対策として、紫外線カットのサングラスを使用してください。また、首も盲点。顔の日焼け対策をしっかりしているのに、首は無防備の方が少なくありません。対策を怠ると、顔と首の色が違ってきてしまい、悩みのもとになります。また、シワができる原因にもなります。しっかり日焼け止めを塗ってください。
Q:肌以外にも、髪や唇、目なども日焼けするのでしょうか。その際の対策はどうすればいいのでしょうか。
A:焼けます。髪は帽子で、唇は日焼け止めで、目は紫外線対応のサングラスで予防してください。
Q:医療品の日焼け止めと市販の日焼け止めにはどのくらいの差がありますか?
A:市販は安いものから高いものまでありますから、ひとくくりに言えないです。ただ、「医薬品は安心」とだけは言えます。
Q:日焼けをしてしまい肌が赤くなってしまった後、肌を黒くしないためにできることはありますか?
A:しっかり冷やすことと、抗酸化物質(高濃度のビタミンC点滴)を摂ることです。
Q:日焼け止め効果がある化粧下地は、通常の日焼け止めに比べて使用目安量が少ないです。十分に日焼け対策ができているのでしょうか?
A:できません。その上に日焼け止めを塗る前提です。
Q:肌を焼きたいのですが、日光湿疹が出てしまいます。対策はありますか?
A:ないです。日に焼けないようにしてください。
Q:肌荒れがひどいときにも日焼け止めを塗っていいのでしょうか?
A:まず肌荒れを治しましょう。

素肌美人を目指すみなさんにお伝えしたいのですが、30代以降の肌は「若い頃にどれだけ紫外線予防に本気になれるか」で決まります。

70歳になっても太ももの皮膚が白いままで、くすみもシミもないのは、紫外線を浴びていないからです。一日の終わりのケアはもちろん、日中のケアにも気を配りましょう。肌のケアに関しては、以下のnoteをご覧ください。

・田中病院:三重県亀山市西丸町539
・遠隔診療について:YouTube
・オンラインショップ:美オーラコスメ