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【お仕事】形成外科をめざす研修医におすすめ〜研修医の間にローテションすべき科〜

研修医のみなさんは、これから進路を決めたり、
もう進路が決まっている方は、就職先を検討すると思います。

将来行きたい科が決まっている人は、
初期研修医の間から、進む科の症例の経験を積みたいと思うでしょう。
何を考えてローテーションを選択するか、今日はその一助となれば幸いです。


研修医中に形成外科を回るメリットはあるのか?


内科の場合、初期研修医中に経験した症例が内科専門医(J-OSLER)に施設の要件を満たせば用いることができます。※

形成外科に進みたいと思っている研修医の人へ知っておいてほしいことは

形成外科は、専攻医プログラムがはじまり、形成外科学会に入会してからの症例が、経験症例として認められます。※

つまり、初期研修医中の症例は専門医資格の取得に関係ありません

形成外科はマイナー科ともよばれ、外科や内科のメジャー科に比較し一般的ではない、つまりより専門性が高いということです。

まず、初期研修医の間は一般的な医療の共通の手技や知識を身につけることをお勧めします。

(就職活動の目的で、短期間形成外科を回るのはアリだと思います。
1−2ヶ月程度で十分かと。長期間接して、人間性にほころびが出ると、不採用になりかねません。)

今日は、私が、形成外科の視点から初期研修医の間に回ってよかった科3選を紹介します。

初期研修医の間に回ってよかった科3選

1. 地域医療実習での救急科

救急科の専攻医がいるような救急科ですと、その医師たちもまだトレーニング期間で手技をしたい盛りです。
そういった中では、初期研修医にまわってくる症例数は少ないこともあります。

地域医療実習ですと、ベテラン先生のもと若手が少ない中で働くことができます。

また地域医療ならではの症例も多く経験することができます。
とくに農作業に従事している方が多かったり、山に行かれる方や海に行かれる方が多い地域だと
機械による外傷、動物による外傷などが多いです。

形成外科で専門医になった時にも、この時の経験は役立っています。

2.皮膚科


形成外科は皮膚科とオーバーラップする領域です。

大きな病院で勤めている時は、皮膚科で診断がついたものを形成外科が手術する、という形で診療も可能ですが、
中小規模の病院やクリニックですと、自分で皮膚科の症例も見る必要があります。

形成外科医としてアルバイトにいくときも、純粋な形成外科の外来は需要が少なくて、
皮膚科疾患もみながら必要に応じて局所麻酔の手術を行うといったことが多いです。

皮膚科のダーモスコピーや白癬検査、帯状疱疹のデルマクイックなどは皮膚科特有の検査です。
ステロイドの内服を処方する時に、事前に確認すべき感染症や既往歴、合わせて出した方がよい薬などは、皮膚科を研修医でローテーションしている時に学びました。

研修医で学んだ皮膚科の知識は今も役立っていますし、
いまでも勤務先の皮膚科の先生から、たくさんの知識を学ばせていただいています。

3.小児科

形成外科には怪我をした小児の患者さんも多く来ます。
また、形成外科の小児先天奇形の分野もあり、小児の手術をする機会もたくさんあります。

小児の薬は処方は体重に合わせて処方が必要だったり、MRI検査などを行いたい場合は鎮静のお薬を使ったりもします。こういった時、小児科の知識が役に立ちます。

また、手術前や入院中の末梢静脈路確保は、医師が行う必要がある病院もあります。小児科を回って、ルート確保が上手くなっていると、そういった時も慌てずに済みます。

以上、私が初期研修医の間に回った中で、形成外科になった後も役立ち、回ってよかったと感じた科をご紹介しました。
これはあくまで私の意見ですので、他の身近な先輩にも聞いてみてください。

特に形成外科は他科と連携して治療を行います。
難治性潰瘍の患者さんは、糖尿病を罹患していたりや透析をしている患者さんも多いですので、内科の知識も役立ちます。
形成外科は頭頸部癌や乳癌の手術後の患者さんの再建手術も行います。
耳鼻科や乳腺科などを回ると、腫瘍の切除を行うまでの過程を見ることができ勉強になります。

研修医はいろいろな科を回る最後の機会ですので、
ぜひ沢山のことを吸収しましょう。
一生懸命吸収したことは、経験という財産になります。

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※内科や形成外科専攻医プログラムの受験者資格などは、改変があります。
 最新の内容をご確認ください。




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