研修医:進路相談〜直美か、形成外科か、皮膚科か〜
厚生労働省のホームページから
「美容医療に関する現状について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001268494.pdf
こちらの資料をインターネットで見つけました。
この資料を参考にしながら、
美容医療を私なりに考察し、研修医で美容医療に興味のある人のための進路の選択肢を書きたいと思います。
※これは私のフィルターを通しての解釈なので、
みなさんは最終的には自分で情報を集め選択してください。
※また私の印象に基づいて記載した内容もあり、実際の現場との乖離がある可能性があります。ご自身でも調べてください。
まず一つ目の資料として示されているのが
美容医療の施術件数の推移です。
美容医療の需要に関する現状
2019年~2022年の4年間継続して回答する52の医療機関・チェーンの分を集計1) *を示しています。
美容医療の施術数は2020年に減少するも、2022年にかけて増加しています。1)
2020年はコロナが流行した年であったので、その影響で外出を控えたためと推察できます。
外科的手技による美容医療の施術内容は、眼瞼形成が最も多く、次いでフェイスリフトが多いです。1)
眼瞼形成は二重の埋没法や切開法などが当てはまると思います。
特に埋没法は手術時間も短く、顔の変化が大きく、また糸を取れば元の瞼にもどりやすいことから、美容初心者の患者さんが美容手術の最初として行いやすいのでしょう。
(埋没法には血腫、浮腫、角膜損傷、左右差、閉瞼不全などの合併症があります)
また、研修医あがりや他科からの転職した美容医師も埋没法は最も最初に取り組むことが多い手技だと思います。
そのため症例を集めるために、モニターキャンペーンを行い、そのモニターキャンペーンによって撮影された写真を見て、また新たな患者さんが集まるという無限ループになるのだと思います。
非外科的手技による美容医療の施術内容では 脱毛 ・ボツリヌス菌毒素注入の順に多かったです。1)
脱毛に関しては、男女問わず需要が多いです。また昔よりも機器の改良や、費用の低下により、脱毛施術を受ける患者さんの裾野が広がったのだと思います。
脱毛に関しては医師が問診診察を行い、施術は医師の指示で看護師が可能です。医療機関にとっては、医師の時間を割かずに利益を得られる商品となると思います。
(脱毛には硬毛化、熱傷などの合併症があります)
ボトックス注射(ボツリヌス菌毒素注入)は、医師が問診診察を行い、施術は医師が行います。注射の施術時間は短く、手技自体も血管と針を刺入する深さに注意すれば、美容外科をはじめたての医師が施術を行うことが多い手技と考えます。
(ボトックス注射には皮下血腫や薬剤アレルギー、予期せぬ筋肉の麻痺、左右差どの合併症があります)
この調査結果を見て思ったのは、マチュアな施術がよりも、簡便な施術の需要が多い、
もしくは簡便な施術の商品を医療機関が前面に売り出しているとも解釈できます。
さてここで、
美容医療に興味がある研修医には、複数の進路の選択肢
があるでしょう。
①直美(研修医終了後、直接美容医療に行く)
②形成外科に進み修練を積んだ後、美容医療に進む
③皮膚科に進み修練を積んだ後、美容医療に進む
①直美(研修医終了後、直接美容医療に行く)
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