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三流の医師になりたい


今回は雑談回です。
堅苦しいことばかり書いていると
息切れしていまうので、
こんなのも
ポツポツ入れていきたいと思います。

"三流"こそが素晴らしい!

最近、
安田登さんの
"三流のススメ"
という本を読んで
いたく気に入っています。

この本でいう"三流"とは、
あえて1つに定めない、1つを極めようとしない
生き方
を指しています。

詳しくは本を読んでみてもらいたいのですが、
そもそも作者の安田さんが何をしている人なのか
さっぱり分からない。
高校の先生だったり、
能楽をやったり、作家になったり、ゲームの攻略本を書いたり
ロルフィングの専門家でもあるらしい💦

ものすごく博学で、
この本の中でも
いろんなジャンルからの引用を使って
三流のよさや本質を説いている、
本当におもしろいおじさんです(笑)

一流は生きにくい

なんの世界でも一流を目指すというのは、
自分にかなり強い制約を課すということでもあります。
「これしか自分にはない」
「この分野でNo.1になってやる」
そう思えば思うほど、
視野は狭くなりがちです。

実際、相当に目標を狭く絞らないと
数多くのライバルを抜いて1番にはなれません。

また、一流人は往々にして
日常生活に対しても"一流"を求めがちな気もします。

「あれはこうでないといけない」
「論理的に正しくないといけない」
「筋が通っていないといけない」

直線的で、
今の僕には少々肩が凝りすぎる考え方です。

もちろん一流の方々に対する
尊敬の念は相当に持っています。

決して僕には真似できないから。
一流を目指していた時期もありますし。

でもやめました。

今では、
僕はみんなが一流を目指す
一流であり続けようとする

というのには反対です。

一流になれない人だっていていいはずだし
世の中むしろそんな人の方が多いはず。

それに、
一流になれなかった=人生楽しくない
とはならないはずです。

むしろ三流の方が
人生を楽しみやすいのではないかと感じています。

一流のプロ選手の引退後

いろんなジャンルで一斉を風靡したプロスポーツ選手が
いますよね。
でもその人々が引退した後、
同じ分野でも違う分野でも
楽しそうに過ごせている人って
果たしてどれだけいるでしょうか?

サッカーでいうと
中田英寿さんとか
本田圭佑さん でしょうかね?

もちろん
僕が知らないだけで
もっと多くの方がセカンドキャリアを
楽しんでいるのかもしれませんが、、、。

一流になればなるほど、
一流でいられなくなったときの
辛さは自分に重くのしかかるように思います。

また、
一度思考が固定されてしまうと
他の考えを柔軟に取り入れにくくなってしまう
傾向もあるでしょう。

医師でいうと、
〇〇専門医になってしまうと、
研修医や専攻医だったときのような
柔軟な発想というのはしにくくなったり、
どうしても自分の専門分野の枠にはめて
考えやすくなってしまう

ってことないですか?

僕はありました😅

思い返してみれば
医学生になった瞬間から
刷り込まれている固定概念
って
すごくあるようにも思います。

"医師はこうあるべき"
とか
"こんな医者になったら同僚から馬鹿にされる"
とか
"老害とか言われたくない"
とか(笑)

僕たちは自分たちが思っているよりも
限られた領域でしか
生活できていないし、
認識もかなり偏っている
ってことに
とっても気がつきにくい。

同じような価値観の集団の中でずっと過ごすから。

他の職種にも言えることなのかもしれませんが、

医療業界は
特に異業種交流も少なく
狭く閉じている特殊な世界です。

呪術廻戦でいうところの
"帳(とばり)"が降りているようなイメージです。

そんな狭い世界の価値観で
「勝ち組」とか「成功」とか
共通認識のように扱うのは
僕は変だと思っています。

三流医師のススメ

ここでいう"三流"というのは
知識や腕が一定レベルに達していない
と言う意味の"三流"ではありません。
むしろ、
1つをある程度のレベルを達成したあとに
違うジャンルやキャリアに新たに取り組んで
"流れ"を増やしていく。

もしくは、
違う川の流れに逆らわず乗っていく
ようなイメージです。

そうして違う流れに身を任せていると
以前の自分がいかに視野が狭かったのか
に気がつきやすくなって、
もっと自由でいていいんだ
と体感できて
興味があることをどんどん拾える
と思うのです。

例えば
大学院生になって
基礎研究や臨床研究をするとか、
海外に留学すると、
臨床に戻ったときに
また面白くなるよ

と多くの先輩に言われていましたが、
これは
ある種の違う時間の流れや
異なる領域に自分を置くことで、
以前の自分や自分の仕事をメタ認知でき、
新たな発見ができる

とも言い換えられると思います。

僕の場合は
医療とはまったく別のジャンル
チャレンジしてみていますが、

まだ始めて間もないにも関わらず、
医師という仕事の別視点、
医療業界の特殊さ、
一般のいわゆるサラリーマンとの思考の乖離

などいろいろ見つける機会に恵まれています。

患者さんとも
以前よりもコミュニケーションの幅も広がった
ような気もします。
なにより、
以前よりも外来診療が楽しくなりました。
(以前と全く同じ診療科で、
同じ人数の患者さんの診療をしていてもです)

キャリアはグネグネなもんなんだ
という話を以前書きましたが、
それと一緒で、
ひとつの領域を極めようとしなくても
いろんな流れに乗っていったっていいと
僕は思っています。

なんだか取り止めもない話になってしまいましたが、
ご容赦ください。

もし自分に強い制約を課して、
高い目標に押しつぶされたり、
膨大な仕事に疲れ始めている方がいたら、
思い切って
"一流を目指さない"
方法もあるんだと
知っておいてもらいたいですね。

それでは、また。

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