移動性精巣と言われたら読んでください その壱

お子さまをお持ちの保護者さんの中には、健診などでわが子が停留精巣や移動性精巣の指摘を受けた方が結構いらっしゃるのでは。

乳幼児健診では多くの場合に小児科医によって全身をくまなく診察します。外陰部も例外ではなく、乳幼児の発達を見るうえで大事なポイントなります。

男の子の場合、陰嚢を触診し精巣が触れるか確認します。その時に、精巣が触れない場合に「停留精巣の疑い」と、精巣が触れにくい場合に「移動性精巣の疑い」がありと指摘されます。

健診は診断するところではなく、スクリーニング、ふるい分けの場です。あくまで「疑い」として専門医に紹介されることになります。専門医の診察の結果、停留精巣、移動性精巣、正常と診断されることになりますが、特に「移動性精巣」・「正常」と診断された場合、保護者さんにとって、理解しにくく、しっくりこないことがあるのではないでしょうか。

なぜしっくりこないことが多いのでしょうか。まずは、精巣の発達について述べていきます。

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