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【ネタバレあり】No.13 人と道の話

挿絵は53巻より引用。

今回の話はブログのような内容になる。
今の自分の気持ちを載せてしまうがご容赦いただきたい。

龐煖(ほうけん)という武人

作品の中で龐煖(ほうけん)という最強の武人が現れる。彼は求道者(ぐどうしゃ)と言われ、人間を更なる高みへと導く究極の存在として戦いを極める【道】をゆく。

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これに相対するのが、主人公の信であり、その師である王騎将軍であり、麃公将軍である。龐煖に何度切られても立ち上がり、刃を返す。王騎も麃公も龐煖に切られてしまうが、2人の思いを受け継いだ信が今まさにコミックス最新巻で激闘を繰り広げている。

李牧はこの相対する両者をともに【人の代表】と表現している。

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現代においては

さて、新型コロナの話に入る。僕はこの2つの人の代表が現代にもいるように思う。

コロナウイルスを研究し治療法を求めたり、ICU(集中治療室)において最適な治療法を開発しようとする人々が研究者[求道者]であり、実際の社会で様々な問題に挟まれながら、最善を尽くし、地域の人々と生きていく者が信たちのように映る。

いくら新薬を開発しても、最新機器を揃えていっても、結局最後は人々の暮らし(ひとそのもの)に行き着くのではないか。研究や開発という道は人のためにあるのだ。

もちろん、劇的に効く新薬が開発されたら多くが死ななくなり、コロナとの戦いに勝つかもしれない。過去に人類が克服した感染症も沢山ある。

ただし、それらが開発できても、治療を受けられる人に制限があったり、効果が限定的なことは間違いない。最終的に人類全員を救うことにはならないかもしれない。

どちらが大事というわけではない。
研究(求道者)を否定するつもりもない。

おそらくウイルスと戦ったら何となくわかるのだ。気付いている人も多いと思う。

こうすれば良いという理想の道は開かれたとしても、結局は人がその道を歩むかどうかは人が決めるのだ。

僕はコロナと一戦交えて気がついた。
なんのために戦うか、何を背負い、誰の思いを引き継ぎ人を守るのか。この戦いはウイルスとの戦いに見えて実は人と向き合うことにいきつく。

コミュニティとは何か、国とは何か。

連日報道されるのは自粛を求める人と、自粛で苦しむ人だ。

医学の発展という道は、この人という存在を進化させられるか?

否だ。

人は所詮人でしかない。

人は集まる。集まってコミュニティを作り、コミュニティ同士が集まり町を作る。

町が集まり国になり、国が集まって世界になる。

では、世界平和とは何か。
人が争わない未来はあるのか。

武力をもって実現のために進んだ嬴政(えいせい)は秦の始皇帝として歴史に名を残した。

だが、結局中華統一で止まり、世界はまだバラバラのままだ。

僕は日本でコロナと向き合い、キングダムを読み、なんだか複雑な気持ちになる。

人が好きだから戦う。
医師だから命を守る。

だけど、その戦いはそもそも何のためにあるのか。

人とは何か。武とは何か。

何故大将軍たる人々は殺し合ったのか。

うまく説明できないが、自分は人と道の狭間に立っている気がする。

【人と道】

キングダムのメインテーマのひとつだろう。

Dr.RISHIN

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