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No.14 戦いと戦いの間

挿絵は46巻から引用。

No.13まで、ひとまず新型コロナ大戦の激闘を元に一気に書き上げた感はある。

世は緊急事態宣言の解除などが検討されて、僕の住む地方では早速外出の波が出ていて、ショッピングモールは人の列だ。

メディアでは第二波、第三波の話が少し取り上げられ、束の間の時間だという議論もされている。実際に我が救急部でも、次は必ず来るだろうという話にはなっている。

仮に今の日本が戦いと戦いの間の時間を過ごしているとしよう。キングダムで戦いと戦いの間がどう描かれているかを考察することで、今何をすべきかが必然的にみえてくる。

①まだまだ大きな戦いの真っ最中という見方

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挿絵は46巻から引用。

これは作品中で、戦の昼と夜をみてみるとよい。57冊を通じて、大きな合戦は7つほどあるが、どれも夜営の間にすることは限られている。

・兵の回復(怪我人の手当て/食事/休息)
・酒を飲む←意外
・奇襲に備える
・戦いの検証
・次戦への戦略会議
・その他(新たな任命、移動など)

新型コロナ大戦では数多くの医療者が傷を負う。もちろん、感染してしまう職員もいるが、今では誹謗中傷で心が傷ついてしまった場合もある。

間違いなく今は回復に充てる時間である。具体的には次も戦える医療者がどの程度残ったかを確認する必要があるのだ。

また、作中では戦いの間なのに宴がある。僕は是非戦った皆さんは感染が落ち着いた今、小さくてもいいから宴をしてほしいと思う。4月に入社した職員を歓迎する会でもいいし、何か戦いの中でファインプレーをした職員を称える目的でもいい。

実はその中でも期待できる効果として、戦いの<検証>がある。

検証とはYoutuberが「〜を検証してみた」と、よく使っている言葉なので割と市民権を得ている。振り返り、と優しく表現する人も多い。

我々救急の医者が使う意味としては、過去の事実について、注目した方がいい部分をピックアップし、何故そうなったのか、次はどうすべきかなどを議論するのだ。PDCAサイクルとかいう人もいる。

日本には検証の文化があまりないのだが、「打ち上げ」と表現される飲み会の中で割と良い検証がされているのではないかと思っている。

この束の間にちょっとした人員配置の変更もできるし、物資の補給や備蓄もできる。

まずは夜営で彼らがなにをしているかに注目してキングダム本編を読み直してみることをお勧めする。

②大きな戦いと大きな戦いの間という見方

大きな戦と大きな戦が間髪入れずに起きてくる戦国の時代を描くキングダムだが、45巻にあるように戦と戦の間を描くストーリーもある。

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挿絵は45巻より引用。

その間に描かれるものとして、

①練兵(兵の訓練のこと)
②国内の政治
③国外との政治
④国内の事件

これらがある。

今はまだどれもそれをやっている場合でないように感じるかもしれないが、割とニュースはこの辺りを報じたりもする。

被害の大小に地域差があるからこちらのムードになるのも理解できるが、これこそ国のCSCA[No.8-11で解説]が乱れる原因のひとつかもしれない。

練兵に関しては、考え方としてありな気がする。

今が強くなるチャンス。
僕はそう捉え、力を蓄え、磨き始めている。
教科書を読み、研修医を育てることに全力だ。

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もちろん、奇襲には備えながら。

Dr.RISHIN




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