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児相に行けと言われ続けた発達障害児が医者になって障がい者就労支援のために大借金背負ってドライフルーツを売ってみた③

起業家経営塾で作った事業計画書を名刺がわりに、地元の色々な人に話をして、飲食店の店舗のブランディングなどを手掛けている、フードコーディネーターの女性を紹介してもらいました。

彼女は地元の飲食業界では知る人ぞ知る凄腕ディレクター。彼女に頼めばさぞかし繁盛店ができて障がいある方に給料もじゃんじゃん払えるだろうとウキウキと打ち合わせに臨んだのでした。

しかし、私の話を聞いた彼女はこう言いました。

「先生、飲食店を出すのはやめた方がいい。飲食のプロたちが本気でやっても潰れていく世界。そんな甘いものじゃない。」

そう聞いた私ががっかりする前に彼女はこう続けました。

「でもね。障がい者がそんなことになっているって私もあなたの話を聞いて初めて知った。あなたが目指していることは社会にとって必要な事だと思う。だからもっといい方法を一緒に考えましょう。」

これまでも社会貢献したい企業が大きな仕事を持って来ても小さな作業所では数がこなせずに断ってしまう事が多いという話を私が彼女にすると、それって協同組合にすればいいんじゃないと提案がありました。

例えば一つ一つの小さな工場では受けられない大きな注文を協同組合で一括して受けて小さな工場に分配したり、小さな工場では買えない機械を協同組合で買って共有するなど「スケールメリット」を利用する経済の仕組みです。

医療福祉の世界にいると、利益を追求する=悪い事のように感じてしまってましたが、お客様に喜んでいただける=利益=働く障がい者の給料と考えると一気に利益を得ることが尊いと思えるようになりました。

なので、非営利のNPOよりも、あえて利益を追求する協同組合を作るんだと決意したのでした。

そして、今度は仕事が休みのたびに、県内の福祉作業所を回り、協同組合に入ってくれる仲間を募ったのでした。

そして、ここには書けない紆余曲折の後に、5事業所が集まってようやく協同組合がスタートしたのです。


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