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児相に行けと言われ続けた発達障害児が医者になって障がい者就労支援のために大借金背負ってドライフルーツを売ってみた⑧ ~中学校編

記事の更新に時間がかかってしまったのは、世を忍ぶ仮の本業が忙しかったのと、小学校高学年以上から高校2年生まで、私の記憶が途切れ途切れで、映像の欠片がふと浮かんでも、時系列もわからず、すっと消えて行ってしまい、何も書けなくなったからです。
特に学校生活での記憶がすっぽりと欠落しているのです。

「他人と馴染めない自分」問題と「酒乱親父とメンヘラ母」問題に加え、二次性徴の出現により体重が増加し自分の容姿に対するコンプレックスも抱えるようになっていたのは何となく覚えています。

そんな中でも、自分が生きていくことを正当化する材料が、勉強以外にもう一つだけ、それは歌でした。

小さい頃から祖母に連れられて民謡を習っていた私は、段を取り、老人ホームの慰問や地元の祭りなどでよくステージに上がって歌っていました。

民謡の他にも、演歌や歌謡曲も歌い、ローカルテレビのちびっこのど自慢にも出演して賞をもらったこともあります。

なのでその頃はもっぱら山で一人で小動物を解剖するか、大声で歌うかが日課となっていました。

田んぼを越して、山の向こうまで、声を飛ばすように大声で歌ってました。

歌いながら空にUFOを見つけたり、ヘビと遊んで咬まれて寝たまま歩いたりという記憶があるのは、何か精神症状が出ていたのかもしれません。

今なら、きっと精神科に連れていかれて薬を飲まされていたか暴れて閉鎖病棟に入院させられていたでしょう。

幸か不幸かうちの家は娘よりも父親の暴力、地域での迷惑行為の方が目立っていたので、その娘まで手が回らなかったのでしょう。

私の記憶も、幸か不幸か、自分の都合のよい楽しい記憶しか残っていないのです。必死に自分がこの世に生きる意味を探していたのでしょう。

今でも一度も同窓会にも呼ばれず、誰からも連絡がないことからすると、きっとその間に周囲の人に相当迷惑をかけていたんだと思います。

そんな自分から逃げるように、山や川で大自然と戯れたり、大声で歌って空想に浸っていました。

中学校に上がると、隣の町の小学校の卒業生と合わさって、1学年もやっと20人くらいになりました。そこで新しい友達を作ろうとして、ちょっと不良っぽい子や先輩に絡んでいこうとしましたが、同じ小学校の同級生や上級生からすでに情報が回っていて、「あんた、頭おかしいんやろ。遊ばんほうがええって聞いたよ」と面と向かって言われました。
なんと、私には不良たちと群れてグレることも許されないとは。

勉強の成績はトップだったので、母が何とかお金を工面してくれ、山を下りた街にある、英語と数学の進学塾に通わせてくれました。

塾の勉強は学校とは違って、先生がどんどん難しい問題を解かせてくれるので面白く、学校の教科書は自分で勝手に問題を解いて早々に終わらせてしまい、学校でまた授業を聴かなくなってしまいました。

特に数学の担当の先生にはことごとく嫌われていました。
教室に入ってくるなり、「お前の顔を見ると虫唾が走る」と言われていたのでよほど私の事が嫌いだったんでしょう。私もその先生は大嫌いでした。

先生が出した問題を、私は別の方法で回答してしまうので、「今はそのやり方を教える時間じゃない。俺が教えた通りに解け。」と言われ、「私はそのやり方はもうマスターしているので、もういいです。私など無視して他の子を教えてあげてください。」と答えてビンタされ、私もビンタし返して問題となりました。

今考えるとおとなしくめんどくさいことに巻き込まれないように立ち回れただろうに、自分の中の小さな正義が許せないと真向から戦ってしまう性分でした。

その先生とは、その他には、追いかけられて校舎を2周回ったりした画が出てくるのですが何をやらかして追いかけられたかも全く記憶がありません。翌年には私が原因かどうかは知りませんが別の学校に移動になりました。

自分が悪いともわからず、教師に嫌われ、友達もできずに、誰からも愛される人を憎んでた日々。

誰かを殺すか、自分が死ぬか。

あの時、何かの歯車がほんの数ミリ動いていたら、自分もそうしてたかもしれない。

そんな日々に、夜布団の中で、ダビングしてもらったテープが伸びるほどずっと聴いていた曲が、レベッカの「Maybe Tomorrow」。1985年11月1日発売の4枚目のアルバム『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』の最後に収録されいる名曲です。


夜に吸い込まれ 心が寒くなる
子供の頃を思い出すよ
ひとりぼっちで歩きはじめたから もう振り返ることはできないね
灰色の日に行き詰まっても あきらめはできないの Maybe tomorrow
だけど明日は きっといいこと あると信じてたいの Maybe tomorrow

今でもふと考えます。

私をこの世に踏みとどまらせたのは何だったのか。
私を人間でいさせてくれたのは何だったのか。



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