見出し画像

正しい身体操作とは

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
久しぶりのnote記事になりますが、今回は「身体操作」についてです。

簡単に言えば、立ったり座ったり、手足を動かすことなんですが、特に意識をしなくても出来ている人がほとんどかと思います。
では、正しい身体操作が出来ているか?と聞かれると、「なにそれ?」と言う方がほとんどでしょう。

【「正しい」ってなんでしょう?】

別に物理的に立ったり座ったりが出来ていれば、そして手足が動かせていれば良いんだ、と言う人にとっては、今の自分の身体操作が一番正しい、と言うことは言えるでしょう。

とは言え、本当にあなたの体に一番負担の少ないやり方なのか?と言うと、成長や学校教育の過程で刷り込まれてきた誤った常識に縛られてしまってる人が多いので、毎日やっている動きが逆に体に負担をかけている、と言う場合も結構あります。

【肩、腰、膝などに不調を抱える根本原因とは】

その見極め方は色々あります。
武術やお稽古ごとなどでは、姿勢を確認する為のお作法が様々伝えられており、それを用いて修正されますが、一般の人達に分かりやすいのは、実際に「肩」「腰」「膝」などに不調を抱えている人は、体に負担をかけてしまう姿勢や動きを長年してしまっている可能性が高い、と言う判断方法です。

【正しい立ち方とは】

二本足で立てれば、正しく立てているのでは?と言う人もいるでしょうが、近代西洋的(と言うか軍隊的と言った方が良いのでしょうか)な、いわゆる見た目に美しいとされる立ち方は、身体操作的には体にかなり負担をかけています。
実際、何時間もその姿勢を保っていると、肩、腰に負担がかかってくることを実感出来るでしょう。気をつけの姿勢で頭に物を載せたり上から押した際に、後ろによろめいたりしてまっすぐ立っていれない場合には、軸がまっすぐになっていない、と言う確認方法もあります。

体に負担の少ない姿勢は、気をつけの姿勢から、軽く膝を曲げた、腰を軽く後傾(反らせるのと逆に会陰部を前に出す動き)させ、重心を前後左右に動かしながら一番安定したところを探します。
そうすると、骨をうまく使うことが出来、最低限の筋肉や腱の力だけで立つことが出来、腰や膝への負担も少なくなります。
両足はまっすぐにおくのではなく、45度ずつ開く感じが良いです。股関節や骨の形により最適な角度は変わりますので、自分にとって一番楽な開き方を見つけて下さい。

座る際も同じですが、椅子に座ると骨盤が後傾し背中が丸くなり、頭を前に突き出す様な姿勢になりがちです。まずは坐骨で座る意識で姿勢を正した上で、骨盤を前や後ろに軽く傾けながら、一番疲れにくい角度を探しましょう。
上半身全体も前後左右に軽く動かしながら、余計な背中の筋肉を使わずに姿勢を維持できるところを探しましょう。
足の角度は立位の際と同じです。股関節は完全に閉じるのでは無く、軽く開く様にした方がリラックスして座れます。

1日に何回か意識して修正しておくと、疲れがかなり変わってきます。

【正しい歩き方とは】

幼稚園や小学校などの教育では、足で地面をしっかり蹴って、前に大きく足を踏み出して、踵を叩きつける様に着地させて歩くのが、正しい歩き方とされ、走る時も基本的にその様にしますよね。

市販されている靴などの履き物も、その様な歩き方や走り方を想定して、クッション性を高めて、腰や膝などへの負担を和らげる製品が一般的です。
しかしながら、素晴らしい靴が沢山売られているのに、腰や膝を傷めてしまう人達が後を立ちません。「体を使い過ぎたせいで、関節が摩耗して軟骨が擦り減ってしまったから」あるいは「椎間板を押しつぶしてしまったから」と言う様な説明がされる事が多いのですが、果たして本当なのでしょうか?

明治維新以前の日本人は、乗り物に乗る機会は少なく、日頃から行う家事もかなりも肉体労働であり、必要があれば東京から京都まで徒歩で歩いたりしていましたが、現代人ほど腰や膝にトラブルのある人は少なかったと言われています。
となると、「使い過ぎ」と言う言い方は正確では無く、「誤った使い方で腰や膝に負荷を集中させ過ぎた」と言う方が正確な気がします。

実際、素足や素足に近い草鞋などで歩く場合に、近代西洋的な歩き方をすると、すぐに腰、膝、踵を傷めてしまいます。

正しい立ち方をした上で、足を踏み出すのでは無く、骨盤が前に進みながら、合わせて体の真下に足が進む、その際も踵着地というよりは足裏全体、むしろ前足底部中心に着地するイメージで、地面を蹴るのでは無く、膝を軽く曲げた状態で滑る様に歩くのが、古来日本人がやっていた歩き方です。

足と逆の腕を振り上げ、胸や腰を捻る様なことも無いので、和服を着ていても着崩れしにくい身体操作で、最小限の体力で動くので疲れにくいですし、足首、膝、股関節、胸から腰の脊椎に衝撃を分散させるので、圧倒的に腰や膝を痛めにくくなります。

現代式の衝撃吸収力の優れた靴では無く、薄底の「ベアフットシューズ」や「ベアフットサンダル」と言われる履き物を使って、1日短時間から練習していくと良いと思います。
慣れるまでは勝手が分からず、足裏が痛くなったり、坐骨神経痛の様な症状が出たり、と言う様なこともあります。実際自分も最終的に身につけるまでに、その様なことを経験しました。

しかし、一度その様な歩き方を身につけてしまえば、どんな靴でも問題なく歩ける様になりますが、足指を締め付ける様な靴の場合は、長時間履くのが辛くなります。
ベアフットタイプの履き物の場合、足指の自由度も高くなるので、足底筋群が活発に働く様になり、足指も自然に開き、より自由に動かせる様になって来ます。

【まとめ】

今回は、「立位」と「歩行」にしぼって書いてみましたが、肩甲骨と骨盤、肩関節と股関節の可動域を高めたり、うまく連動させる、と言う様なことも本当は重要ですし、何かに触れたり操作する際の、手指の形や意識なども大切だったりしますが、文字だけでお伝えするのは困難ですし、長くなりますので、今回はこの辺りにしようと思います。

腰や膝を傷めてると言う方は、ぜひ「正しい立ち方」「正しい歩き方」を自分で模索しながら試してみて下さい。
腰や膝を傷めたり手術をしたことのある人も、痛みや違和感を軽減し、より動きやすくなるはずですので、参考にしてみて下さいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?