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アンチエイジングや美容について

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
美容外科や美容化粧品は、いつも時代にも女性に大人気であり、最近では男性の利用も多く、男性用の製品やサービスも多々ありますね。
アンチエイジングや美容について、自然な形で行う方法についてまとめてみました。

【美や不老不死への根源的欲求】

「美を追求したい」と言う本能的な欲求は否定しませんし、不自然なほど肌や内臓などが若々しさを喪っている様な状況を年齢相応の状態に改善させることは、健康長寿にも必要な意識です。

人類の歴史において、不老不死を求める人達も多く、様々な工夫がされ試みられてきました。しかしながら、それを本当に実現出来たと言う人は、少なくとも公には存在していません。

そして現代社会においては、美容医療として、特殊な注射や手術を行うことで、見た目を希望通りにしたり、若々しさを保つ様なことが行われる様になっています。しかしながら、定期的な修正を続けていかないと、自然な老化に伴いアンバランスな違和感を感じることが多いと個人的には感じます。

抗老化(アンチエイジング)では無く、リバースエイジング、と言う言葉を使う人達もいますが、細胞レベルでの性細胞(卵子や精子)や単為生殖する様な生物での若返り現象は確認されていますが、多細胞の高等生物においては、まだまだ実現していないのが現状です。

【外からのアンチエイジング法の実際】

若々しい見た目のために、肌のお手入れを欠かさないと言う人も多いと思います。また、高額な美容液も多々ありますが、それを使えばモデルさんや俳優さんの様な肌を手に入れられるかも!?と言うイメージ通りの効果があるかと言うと、あまり期待し過ぎてもいけない様です。

正常な肌は脂質膜と角質に覆われており、外からの物質が染み込むことはありません。界面活性剤により脂質膜を取り除き、水分で角質をふやかすことである程度物質が染み込む様になりますが、それでも真皮より深い層まで到達することはありません。

見た目を若々しくさせる為に、水分補給と保湿を定期的に行うことが有効なのは否定しません。しかし、自然な脂質膜を取り除き、表皮層をふやかした上で、人工脂質膜でコーティングする、と言うことをあまりにやり過ぎると、表皮常在菌のバランスが崩れ、人工脂質を餌にして病原微生物が増えてトラブルになることがあります。

アカスリも気持ちが良いですが、定期的に角質を薄くしてしまうことで、皮膚のバリア機能が弱くなることは知っておきましょう。

加えてメディアで見る若々しいイメージのモデルさんや芸能人のお肌も、皮膚科で診察する際にスッピンの肌を見てみると、どんな高額な美容液を使ったり形成外科手術を受けていたりしても、年相応の肌をしている様です。
化粧やライティングの技術の方がかなり大きいと言うことですね。

肌の健康と言う観点からすると、一番良いのは「何もしない」と言うことです。洗顔もお風呂も入らないのが一番です。とは言え、社会生活を営む上で、それでは問題ですよね。
ですから「洗浄は最小限」にした上で、洗浄後には最小限の保湿をしておく、と言うのが次善策となります。

石鹸、ボディソープ、洗顔料などを使うと、実は皮膚表面の脂質膜を取り去ってしまいます。水洗いかぬるめのお湯洗いで、十分に汚れは落ちます。洗顔後やお風呂上がりに肌の乾燥を感じる場合には、皮脂を洗い流し過ぎなのですが、その際には、化粧水で保湿した上で、刺激の少ないワセリンなどで薄く保護膜を作ると良いです。

インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、焙煎していない胡麻油をスキンケアや鼻うがいの後に保湿剤として使います。古くから保湿が大切なことは知られていたんですね。
その際には、食品用胡麻油の場合、トラブル時は利用者やそれを指導した人の責任になるので、使うのであれば、外用を前提とした化粧品としての胡麻油製品を使うことが勧められます。

炭酸浴やサウナなどで血行を良くすることも、新陳代謝を促進しますし、最近では逆に-120℃から-196℃の超冷却を特殊な機械で瞬間的に行い、全身の血行を促すことで美肌効果が期待できると言うクライオセラピーと言うのもありますが、若返り効果までは期待できないです。

【体の中からのアンチエイジング法】

加えて、食生活やストレスケアを改善することで、体全体の老化を最小限に抑えることが出来ます。腸内環境を改善させると、アトピー性皮膚炎の方の症状がかなり改善したり、花粉症などのアレルギーが改善したり、肌の状態が若々しくなります。
また肝臓や腎臓を意識的にケアすることで、老廃物の処理や排出がスムーズに行われる様になります。

アンチエイジング効果のある栄養成分や特定の物質のサプリメントも否定はしませんが、実際に人間が若返った報告はありませんし、世界最高齢の人達にサプリメントの愛用者はいません。

食事で一番大切なのは、食べ過ぎないことです。
と言うと当たり前だと思うでしょうが、多くの方は1日3食主食(炭水化物源の米、小麦粉など)をしっかり食べてるのでは無いでしょうか?そして間食として、菓子パンやお菓子、甘い飲み物などを「脳のエネルギー源」などとして摂っていませんか?

糖質過多の食事は、ビタミンやミネラルの浪費につながるだけでなく、余剰のブドウ糖はもれなく中性脂肪として蓄えられます。特に脂質を一緒に摂るとその傾向は顕著になります。
加えて、血糖値が目まぐるしく乱高下するので、強い空腹感を感じるとともに食べ過ぎる傾向も引き起こします。
コレが続いていると、血糖値を下げるインスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」が出て来て、全身の血管内膜を傷つけ、慢性的な弱い炎症を起こし続け、動脈硬化を進行させてしまいます。

ですから糖質を摂り過ぎない様にすることが大切です。よくある間違いは、食事量を極端に減らすことです。コレでは単に栄養失調になるだけですから、糖質を減らした分、鳥獣魚や卵などの蛋白質、そして野菜や海藻、果物、キノコ類などを増やします。

脂質をカットする人もいますが、体細胞の細胞膜は脂質で構成されていますし、ホルモンの中には脂質から合成される物も多いので、良質な脂質をしっかり摂る方が、特に肌の健康と言う意味では良いです。脂質をしっかり摂るのであれば、糖質は意識的に少なめにしておきましょう。
目安としては主食(炭水化物):主菜(蛋白質):副菜(植物)=1:1:1(容積比)を意識すると良いです。

蛋白質と植物を意識的に摂り、脂質制限をしないことで、腹持ちが良くなり強い空腹感も起こりにくくなり、自然に食事の量が適正に落ち着いて来ます。加えて、過剰な糖質を処理する為に消耗していたビタミンやミネラルが、体内の様々な代謝機能に使える様になります。

間食も、菓子パンやお菓子、甘い清涼飲料水はやめて、茹で卵、スルメ、煮干し、ミックスナッツなどを適量にしたり、無糖のお茶やコーヒー、お水にしておきましょう。無糖の炭酸水も良いですね。

加えてさらにアンチエイジングに効果的と言われているのが、「意識的に食べない時間を作る」と言う習慣です。俗に「間欠的断食」や「16時間ダイエット」と言われたりしますが、睡眠時間も含めて16時間、睡眠時間前後の3-4時間は固形物を食べない様にする、と言うやりかたです。

16時間何も食べない時間が続くことで、オートファジーと言う細胞内老廃物処理機能が活性化し、ミトコンドリアの機能も活性化され、アンチエイジング効果がある、と言う報告があるんですね。
また糖質過多で起こる「インスリン抵抗性」を改善させる効果もあるので、糖質制限と一緒に行うと効果的ですが、いきなりやると強い空腹感と戦うことになりますので、糖質制限に慣れてから行うのが良いです。

いきなり16時間断食でも良いのですが、少しずつまずは10時間、それが1週間できたら12時間、14時間の様にしていくと無理なく続けられます。必ず16時間じゃなくても、14時間でも効果はあると言う報告もありますので、自分に合った時間で「食べない時間を作る」様にしましょう。

16時間断食をする様になると、朝食を抜いて昼と夜に食べるか、朝と昼を食べて夕食を抜くか、と言う感じになると思いますが、生活リズムに合わせて良いですし、旅行時などには3食食べて体調を確認してみても良いと思います。

毎日16時間断食するのが難しい、という場合には、1週間に連続しない1-2日を24時間断食とするやり方も同じ様な効果があります。ある日の夕食を食べ終えたら、次の日の夕食まで水分以外は摂らない、と言うやり方ですね。

それでは栄養が枯渇する!と思う方もいらっしゃるでしょうが、生物の体は、ご先祖達が何週間も何ヶ月も飢えに苦しんでも生き抜きた経験から、数日から1週間単位で栄養バランスや食事量が整っていれば大丈夫な様にできています。
とは言え連続して6日以上断食をすると、骨や歯が弱くなりますので、お勧めしません。

【アンチエイジングの為の運動とは】

また、若々しく動く為には、骨が丈夫で関節や腱が柔軟性を保っていることも大切です。
骨密度を高める為には、振動刺激が大切なことが分かっています。軽くその場でジャンプしたり歩くだけで十分です。振動ベルトや振動板で刺激するのも否定はしませんが、頭を揺らし過ぎると、中長期的に認知機能低下のリスクが高まるので、自然な刺激の方が安心だと思います。

加えて解剖生理学的な関節可動域を保つ為に、身体中の関節を動かせる範囲で毎日動かすことも大切です。
筋肉量が多い方が良いとして、筋トレやジョギングを行う人も多いのですが、やり過ぎると体内で活性酸素が発生しますし、関節や腱の疲労が蓄積してしまい、怪我のリスクも高まります。

【休養のための睡眠】

そうそう、もしかしたら一番大切なことかも知れないことを忘れていました。しっかり休養すると言うことです。

特に睡眠時間を十分に確保する様にしてください。睡眠中に成長ホルモンが分泌され、心身の修復や回復が行われます。適切な睡眠時間はかなり個人差がありますが、平均的には7-8時間とされます。現代人の多くが慢性的な睡眠不足だと言われています。睡眠の質よりもまずは量、睡眠時間を確保した方が良いとも言われます。

睡眠不足は1日で簡単に解消できる訳では無く、2-3日以上かけて解消していくしかありません。解消されていなければ、頑張らなくても長く眠れます。解消されれば、頑張っても長く眠れなくなります。

また不眠については、眠くない時でも、夜は目を閉じて体を休めるべき、と言う指導が昔から行われて来ましたが、最新の研究では、逆に眠れない時には寝室から出て起きて活動していた方が良いとされます。

【まとめ】

という事で、
・皮膚は洗い過ぎず適度に保湿
・食生活の改善
・軽い運動習慣
・十分な睡眠時間
と言うのが自然にできることが、
最高のアンチエイジング、美容になる、
と言うことでした。

本気でアンチエイジングや美容を自然な形でやってみたい!と言う方は、ご相談頂ければサポートさせて頂きます。まずはお気軽にご相談下さい。

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