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糖質制限は善か悪か?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
健康を意識したり体重を減らそうとし始めると目にするのが「糖質制限」と言うキーワードです。
ところが最近「糖質制限は体を壊すのでやめよう」と言う情報もあり、混乱されている方もいる様です。


【体重調整に有効なのは食事改善のみ】

まず大切なのが、
「運動を死ぬほどしても全くしなくても、
体の総代謝量は誤差程度の変化しか無い」
と言う事実を認識することです。
体力強化、筋量増加などの運動効果は否定しませんが、「体重調整」には役立ちません。
むしろ運動強度をあげるほどに、食欲が増してしまい体は体重を増やす方向に反応してしまいます。

【食事改善で重要な原則】

そして食事改善で大切なのが、「必要以上に食べれば体重は増え、必要以下に食べる量を抑えられたら体重は減る」と言う大原則です。
様々な食事法や栄養理論がありますが、突き詰めて言ってしまえば、こう言うことです。

【必要十分な蛋白質+何を摂るか】

体重を減らす場合でも筋肉を減らしたいと言う人はいませんよね。であれば、1日に体重×1.0-1.5gの蛋白質は摂取する必要があります。50kgの人であれば、1日50-75gの蛋白質摂取が必要ということです。

カロリー理論ではPFCとして蛋白質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のバランスが重視されますが、蛋白質以外の脂質と炭水化物の比率をどうすれば良いか、と言うのは、体質によりかなり差があります。

加えて「糖質制限食やケトン食で失敗した経験から、やめた方が良い」と情報発信してる人の多くは、「糖質制限+脂質制限」をしており、蛋白質に偏った食事をしている為に、不調になったり栄養失調で脂肪肝になったりするワケです。

厳格な糖質制限をするなら、代わりに良質な脂質をしっかり摂りましょう。緩い糖質制限をするのであれば、脂質は控えめにしながら良質な脂質を含む魚介類などを意識して摂る様にしましょう。その様にすることで、糖質制限のデメリットをかなり少なくすることが出来ます。

【糖質制限に善も悪も無い】

という事で、糖質制限をして失敗した人は、やり方を間違えていた可能性が高いです。その人に合った糖質と脂質のバランスと言うのがあるので、それを無視して極端な低糖質低脂質食をしては、意味がありません。

現代人の平均的な食事では、炭水化物比率が多過ぎる上に、蛋白質が不足しており満腹感を得にくく、食べ過ぎになりやすいことになります。
野菜や蛋白質をしっかり食べることで、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎにくくなります。
どれくらいの糖質にして残りを脂質にするか、と言うのは体質により異なるので、「糖質制限は体を壊す」と言う経験をした人は、単純に体に合わないやり方をしていただけの可能性が高いです。

【常識を否定する極論は相手にしない】

糖質制限に限らず、これまで常識とされていた通説を完全否定して、新規性の高い成分や新理論だけが正しいとする様な情報発信やマーケティングをしている場合、科学的にまだ認められていない段階で荒稼ぎまでしようとしてるだけの可能性が高いです。

興味がある場合、少なくとも2-3年は様子を見てみましょう。本当に優れた効果がある理論や成分ならば、医療の臨床にも取り入れられますし、より注目度が高くなるはずですが、その様な極論のほとんどは、2-3年すれば音沙汰が無くなることがほとんどです。

2-3年経ってさらに注目度が上がり、研究論文の数も増えている場合は、改めて試してみたり注目度を上げれば良いでしょう。

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