Creedence Clearwater Revival – Green River (1969)
1968年以降の3年間、カントリー・ロックの世界はビッグバンのように急激な膨張を見せた。先駆け的な存在であるThe Byrdsは68年に、Grateful Deadは70年に、それぞれ一年のうちに2枚もカントリー系の名盤を立て続けて発表している。そしてCreedence Clearwater Revivalは1969年に3枚もの名作を発表した。
南部文化の影響が色濃かった前作(といっても半年程度のスパンだが)『Bayou Country』から見て取れる成長は、なんといってもボーカル、ソングライターであるJohn Fogertyの描く歌詞の深化だ。Fogertyは「Wrote A Song For Everyone」で自らのプライヴェートかつ苦い経験を歌として昇華させ、また「Bad Moon Rising」ではどん底にあった世界情勢を非常に詩的に描いている。この反戦へのメッセージ性は次作の『Willy And The Poor Boys』でピークを迎えることになる。
サウンド面では変わらず「Night Time Is The Right Time」のようなR&Bの名曲を取り上げている。ブルースマンRoosevelt Sykesが戦前に発表した曲をもとに、長い歴史の中でNappy BrownやRay Charlesらに歌い継がれたナンバーだ。他にも「Commotion」のタイトなグルーヴや、ハードなギター・ブルース曲「Tombstone Shadow」など、レコードのいたるところに聴きどころが満ちている。