![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55115052/rectangle_large_type_2_8f03c1eb268387787e79143fa14ee3e3.png?width=800)
Photo by
dr_kobaia
Kenny Dorham – Una Mas (One More Time) (1963)
ほれぼれするようなFrancis Wolffによるポートレイトが目を惹くKenny Dorhamの63年作は、アフロ・キューバンの地平を開拓したラテンの熱いリズムと、彼の真骨頂ともいうべき燃え上がるようなホーンのサウンドを堪能することができる。
「Una Mas」はもともと「Us」というタイトルで、パシフィック・ジャズ・レーベルのライブ盤『Inta Somethin'』の中でJackie McLeanと共演していたナンバーだった。本作ではよりラテンのリズムにグッと接近したアレンジが施されており、それに大きく貢献しているのが若きAnthony Williamsの軽快なドラムである。Dorham本人による〈Una Mas!〉の掛け声とともに、ジャズ・ファンの心に深く刻まれているメイン・テーマには、Lee Morganの復活作「The Sidewinder」にも通ずるものがある。いずれも、とことん音楽の喜びと陽の気に満ちた15分間だ。
「If Ever I Would Leave You」のようにゆったりとしたナンバー(オリジナル盤に収録されていないとは!)でも、Dorhamのインタープレイはさえわたっている。また、忘れてはならないのがアルバム・デビュー前夜のJoe Hendersonのサックスだ。特にブラジルらしい「Sao Paulo」におけるDorhamとの息の合ったプレイは、Dorhamも参加したHendersonの初リーダー作『Page One』においてそのまま引き継がれている。